ヨガをするとよく眠れる、体調が良くなるなど身体の変化を感じるのは、ヨガには自律神経のバランスを整え、身体の調子を、本来の正常な状態に戻す効果があるためです。
本記事では、自律神経のバランスが崩れるとどうなるのか、ヨガはなぜ自律神経を整えるのか、自律神経を整えるおすすめのポーズ・呼吸法をご紹介します。
自立神経のバランスが崩れるとどうなる?
自律神経とは、内臓の働き、代謝、体温の調節を担う神経で、身体を活発化させる交感神経と、リラックスさせる副交感神経で成り立っています。この2つの神経が、生活のリズムに合わせて入れ替わり優位になることで、日中は精力的に活動し、夜はしっかりと身体を休める事ができるのです。
しかし、自律神経は外的要因によりバランスを崩しやすく、特に強いストレスをうけると、交感神経が優位となり常に興奮状態となるため、筋肉が過剰に緊張して疲れやすくなります。また、生活のリズムと自律神経のリズムがずれることで、朝スッキリと起きられない、日中の集中力が続かない、寝つきが悪く疲れが取れない、などの身体の不調として現れます。
ヨガはなぜ自立神経を整える?気になるその効果
ヨガでは深い呼吸をとても大切にしますが、自律神経を意識的にコントロールできる唯一の手段が、呼吸です。ヨガにはいくつもの呼吸法があり、交感神経を優位にするもの、副交感神経を優位にするものを使い分ける事で、心身の状態を、理想的な状態に導くことができます。
忙しい現代人は、交感神経が優位な状態になりやすいため、ストレスを感じているときは、意識的に副交感神経を優位とする時間をとり、自律神経のリズムをリセットすることで、生活のリズムと身体のリズムが合うようになります。質の良い睡眠をとり、日中の集中力をアップさせ、生活の質(Quality Of Life)を向上させるためには、生活のリズムと身体のリズムを合わせることが必要です。
自律神経をコントロールするヨガの呼吸
呼吸による自律神経の調整法はいくつかありますが、疲れやストレスが溜まっているときには、副交感神経を優位にする、仰向けの腹式呼吸がおすすめです。目安として、吸う呼吸:吐く呼吸の比率を1:2に調整します。お腹の底から息を吐き切ることを意識し、吸う呼吸は自然にふんわりと胸に入れましょう。
一方、交感神経を優位にして、目を覚ましたい、やる気を出したいというときは、ウジャイの呼吸を試してみましょう。ウジャイの呼吸では、声門を半分閉じ、すすり上げるような音をわずかに出しながら鼻から十分に息を吸います。息を吐くときも同じように音を立て、丹田と会陰部を引き締めて吐き切ります。集中力を高め、やる気を引き出す呼吸です。
神経の束が通る脊柱の歪みを整える
自律神経は、脳から脊柱の中を通り、枝分かれするように各臓器に連結していますが、ヨガで自律神経のバランスが整うのは、様々なポーズ(アーサナ)により、神経の束が通る脊柱周りの筋肉を緩め、歪みを整えるためです。
脊柱は、首の頚椎から、肋骨が付着する胸椎、骨盤に繋がる腰椎、お尻の仙骨・尾骨まで計26個の骨が繋がって成り立っていますが、日常生活で身体の使い方が偏ると、その連結部分に歪みが生じます。ヨガでは脊柱に意識を向け身体を動かすことが多く、脊柱周りの筋肉の緊張を解し、本来の正しい姿勢・脊柱の湾曲に戻す効果があるため、自律神経が正常に働くようになり、バランスも整いやすくなります。
自立神経を整えるヨガのおすすめポーズ・呼吸法5選
では、自律神経を整えるヨガのおすすめポーズ・呼吸法を5つご紹介します。
マールジャーラ・アーサナ(キャット&カウ)
パスチモッターナサナ(長座前屈)
アルダ・マッツェンドラーサナ(座位のねじりのポーズ)
サーランバ・サルヴァンガーサナ(支えのある肩立ちのポーズ)
アヌローマ・ヴィローマ(片鼻呼吸)
*高血圧の場合、呼吸を止めると血圧が過剰に上がってしまうことがあるため、呼吸は止めずに行いましょう。
まとめ
自律神経を意識的にコントロールすることで、心身を理想的な状態に導く事の出来るヨガ。深い呼吸を通し、気持ちの良いポーズを10分とるだけでも効果はあります。日々忙しい現代人にとって、本来の健康的な状態を取り戻すために、必要な時間です。朝起きた時、夜寝る前などに少しだけ時間をとり、生活の質を向上させ、健康的な毎日を送りましょう。
東京都を中心に活動するIHTA認定ヨガインストラクター。会社員としての経験を持ち、自身の健康を意識することからヨガを始める。身体だけでなく、心も健康にするヨガの魅力を知り、この魅力を広く伝えたいという思いからヨガインストラクターに転身。マインドを明るくするような朝ヨガ・リフレッシュ効果の高いフロー感のあるヨガを得意とする。