ヨガには心を整え、身体を健康的な状態に導く効果があります。ダイエットを目的としてヨガを始める方は多くいますが、中にはなかなか効果が表れず、不安とストレスを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、ヨガで痩せる人と、痩せない人の違いと、その理由を詳しくご紹介します。
そもそもヨガは痩せる?痩せない?
結論として、ヨガで痩せることはできます。ただし、ヨガ本来の目的や、効果的に痩せるためのコツを抑えておかなければ、なかなか効果を感じられず、途中で挫折してしまうこともあるでしょう。ヨガ本来の目的、ヨガで痩せない理由、痩せる理由とその違いを理解して、ヨガでのダイエットを成功させましょう。
ヨガ本来の目的とダイエットの関係
ヨガ本来の目的は、ストレスや欲望で忙しく動き回る「心」を、穏やかで安定した状態に整えることであり、様々なポーズで身体を絞ることではありません。ヨガ=ポーズ、という印象が強くありますが、様々なポーズ(アーサナ)は、心を整え、物事の本質を見極める力をつけるための、1つのツールなのです。
ヨガのレッスンでは、ポーズや呼吸法を駆使して、心を整える修練をしているため、レッスンが終わった後は、身体だけでなく頭がすっきりとし、心が軽くなります。ダイエットに不可欠なのは、一時的な欲望やストレスに負けない意志の強さです。ヨガのポーズはもちろん脂肪を燃焼させ、筋パフォーマンスを向上させますが、ヨガを継続することで精神面を鍛えることが、ダイエットを成功させる大きなポイントになります。
ヨガで痩せない理由
ヨガで痩せることは可能ですが、なかなか効果が表れない場合は、3つのポイントを見直してみましょう。
単発のレッスンで効果を求めている
ヨガ1時間の消費カロリーは、強度の高いパワーヨガでも200kcal程度で、ごはん120g、お茶碗に軽く1杯も食べると、相殺されてしまいます。単発のレッスンでは、ほぼダイエットの効果がないということです。
ヨガのポーズには、確実に身体を健康的な状態に導く効果がありますので、大切なのは、ヨガを継続して筋肉量を増やし、代謝を上げ、痩せやすい身体作りをすること。また、脂肪より重い筋肉が増えるため、体重の増減には一喜一憂せず、身体の感触や見た目の変化を感じて、モチベーションを保ちましょう。
レッスンの強度不足
ヨガの内容は様々で、動きの少ないリラックスヨガや、ほぼ仰向けの姿勢で行うリストラティブヨガもありますが、強度の低いヨガばかりを選択すると、ダイエットの効果はなかなか得られません。
ダイエットを目的とするのであれば、脂肪を燃焼させ、筋肉を鍛えることが不可欠なため、立位やバランスのポーズが多い、パワーヨガ系のレッスンを選択しましょう。また、一呼吸一動作を基本とする、ヴィンヤサ・フローヨガも運動量が多く、おすすめです。
ヨガの時間と頻度
ヨガで痩せない理由の1つに、1回のヨガの時間と、レッスンの頻度が足りていない場合があります。ヨガは、深い呼吸を通しながら体を動かすため、ジョギングのような有酸素運動の効果を得ることができますが、脂肪が効率的に燃焼を始めるためには、本格的に動き始めてから20分程度が必要です。
準備運動をしっかりと行い、それから少し汗をかく程度に負荷をかけつつ、最低でも20分、できれば1時間ほどヨガをすることをおすすめします。また、レッスンの頻度としては、週に2、3回行うことで、2ヶ月後には脂肪の燃焼効果を、6カ月後には筋肉の変化を感じる事ができるでしょう。
ヨガで痩せる理由
ヨガで痩せる理由はたくさんありますが、代表的な3つの理由をご紹介します。
暴飲暴食を防ぐ
ヨガは心を整えることを目的としているため、習慣化することで、一時的な欲望に負けない強い精神力を鍛える事ができますが、実は1回のヨガレッスンでも、食べたい欲求を抑える効果があります。
暴飲暴食の原因の1つは、ストレスから逃れようとするために起こる「エモーショナル・イーティング」です。ヨガは、深い呼吸で自律神経のバランスを整え、ストレスを解消する効果があるため、エモーショナル・イーティングの衝動をやわらげることができます。1回1回のヨガを重ね、欲望をコントロールしていくうちに、何事にも動じない、穏やかな自分へと変化していくでしょう。
基礎代謝がアップする
ヨガのポーズを繰り返し練習することによる嬉しい効果の1つは、身体の柔軟性と筋パフォーマンスが向上し、基礎代謝がアップすることです。まず、筋肉の柔軟性が向上することで血行が良くなり、体中に新鮮な酸素や栄養、熱が行き届くようになります。
血液が身体の隅々までいきわたることで、筋肉は十分に力を発揮できるようになり、強度の強いポーズで働く筋肉が増えていきます。同じ動作でも使われる筋肉が増えることで、基礎代謝が上がり、太りにくい身体へと変化していきます。
インナーマッスルが鍛えられる
ヨガの深い呼吸をしながら動くことで、インナーマッスルが鍛えられ、身体の深部から引き締める効果があります。
ねじりやバランス、股関節を屈曲させるポーズは、体幹を支える腹横筋、上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋など大きなインナーマッスルが鍛えられ、深層の筋肉が発達すると、ほっそりとしたシルエットながらも、全身のバランスが整い、身体が引き締まっていきます。
ヨガで痩せる人、痩せない人の違いって?
ヨガで痩せる人と痩せない人の違いは何か、それは少しの努力と、小さなことにも気が付ける力を身につける事です。
少しの変化をモチベーションに繋げる
ヨガで痩せる人は、自分に起こる少しの変化に敏感に気が付き、モチベーションを保てる人です。体重の増減だけが成果ではありません。ダイエットを目標として、いつもより少し強度の高いレッスンに参加できた、いつもは食べてしまうおやつを我慢できた、こういった小さな変化も、自分が頑張った成果として認識することで、モチベーションを保つことができます。
ヨガのレッスンでは、内観(瞑想)する時間をとることが多くあります。この内観の時間は、自分の状態や変化を感じ、把握する練習です。ヨガの時間を使って、小さな変化に気が付き、少し頑張った自分を褒める練習を重ねましょう。
短時間でもヨガを習慣化している
ヨガダイエットのポイントは、心を整えることです。短期間で身体の変化を求める場合は、20分から1時間程度、動き続ける方が効果的ですが、心を整えるヨガは10分でもできます。朝起きて、または寝る前に10分だけ時間をとり、ストレスや刺激から離れる時間をとりましょう。
気持ちよいと感じるポーズを軽くとり深い呼吸を通す、それだけでも、ダイエットの大敵となるストレスから離れられる時間となります。できれば毎日、難しいようであれば、2、3日に1回の習慣にしてみましょう。
まとめ
心身を健康的な状態に導いてくれるヨガ。ヨガ本来の目的と、痩せるためのポイントをしっかりと抑える事で、美しいボディラインへと変化していきます。近道をしようと焦るのではなく、どっしりと構え、継続することで必ず良い変化は起こります。自分に起こる良い変化を敏感に感じながら、マイペースで取り組んでいきましょう。
東京都を中心に活動するIHTA認定ヨガインストラクター。会社員としての経験を持ち、自身の健康を意識することからヨガを始める。身体だけでなく、心も健康にするヨガの魅力を知り、この魅力を広く伝えたいという思いからヨガインストラクターに転身。マインドを明るくするような朝ヨガ・リフレッシュ効果の高いフロー感のあるヨガを得意とする。