女性に大人気のヨガですが、近年では、メンズヨガも巷でブームになっています。インドでもともと男性が行っていたヨガは、現代の男性にとってもメリットがたくさんあります。
今回は、ヨガが男性にもたらす効果とはなにか?男性でもヨガを行うことができるのか?おすすめのヨガや、ポーズなどについても紹介します。
ヨガに取り組む男性は多い?
日本では女性が行うイメージが強いヨガですが、実はヨガ発祥の地インドでは、ヨガは男性が行うものとして認知されていました。世界中でヨガバイブル本として親しまれている「Light on yoga/ハタヨガの神髄」の著者であるB.k.Sアイアンガー師も男性です。
さまざまなヨガの流派がありますが、その流派の生みの親であるインド人グル(ヨガ指導者)達もほとんどが男性のため、古来のヨガには女性には難しいポーズもあるとさえいわれています。近年では、男性ヨガインストラクターも増えており、それに伴い、ヨガを行う男性も増えてきています。
また、コロナ渦で運動する機会が減り、自宅で簡単に出来るエクササイズとしてメンズヨガを始める人も多いようです。その他、ヨガを行う男性アスリートや、男性タレントも多くいることからも、メンズヨガが人気であることがわかります。
ヨガが男性にもたらす効果とは?
男性がヨガを行うと、女性と同じく身体のさまざまな不調を改善する効果があります。どのような効果があるのか詳しく説明していきます。
肩こり腰痛の改善
男性は筋肉量が多く、肩こりや腰痛に悩まされる人も少なくありません。自分の身体の変化にすぐに気が付き、対処する女性と違い、男性は自分の不調をあまり気にせず、放置する傾向があります。
そのため肩回り、腰回りが凝ってしまう事も多く、「気が付いたときには腕があがらない。」という人もいます。メンズヨガでは普段動かさない方向に身体を伸ばすので、自分自身でマッサージをするような感覚で凝り固まった筋肉をほぐしてくれる効果があります。
ストレス軽減・リラクゼーション効果
男性は問題を自分の中に抱え込み、自分だけで解決しようとすることから、ストレスが発散できず、ストレスが多い生き物だと、生物学的にも認められています。ヨガは深い呼吸を行いながら、自分自身の内面に意識を向け、忙しい時間から解き放たれる貴重な時間でもあります。
また、運動することで、幸せホルモンと呼ばれるセルトニンが分泌されます。セロトニンが分泌されることで、緊張していた身体や心がほぐれ、ストレスの軽減、安眠効果やリラクゼーション効果も期待できます。
インナーマッスルの強化
「ヨガは身体が柔らかくないと出来ない。」と思っている男性も多いかもしれません。ヨガは柔軟性を高めることだけが目的ではなく、インナーマッスルを鍛えることもできる万能エクササイズです。
特に、男性インストラクターの場合は、男性向けにシークエンスが考えられていることもあり、強度が高く、筋肉に効果的にアプローチするようなポーズも多くあります。筋力が強化されることで、基礎代謝もあがり、太りにくくなるとともに、疲れにくい身体になるというメリットもあります。
ヨガは男性や初心者でもできる?
ヨガはむしろ、男性におすすめのエクササイズです。前述していますが、筋肉量が高い男性ほど、肩こりや腰痛に悩まされることが多いです。そのような男性特有の不調も、ヨガを行う事により、改善することが期待できます。
また、ほとんどのヨガクラスが初心者大歓迎で、ビギナーも不安なく参加できるよう、レベル分けされているクラスもたくさんあります。はじめてヨガを行う際には、男性インストラクターのヨガクラスを選ぶのをおすすめします。男性同士ですので、気軽にクラスを受けることができ、また男性ならではの悩みを相談できたり、他の男性生徒さんとメンズヨガについて情報交換を行うなど、交流するきっかけにもなります。
男性におすすめのヨガの流派やポーズ
男性におすすめのヨガ
アシュタンガヨガ
アシュタンガヨガは太陽礼拝をメインとしたヨガとなり、ダイナミックに動き続けるヨガスタイルです。ヨガの基本的なポーズを網羅しているので、まずはヨガをやってみたい人におすすめです。
ビクラムヨガ
ビクラムヨガは元祖ホットヨガともいわれています。女性に人気の女性専用ホットヨガスタジオとは異なり、性別年齢関係なく行えるホットヨガです。しっかりと汗をかきながら、筋力の向上やダイエット、柔軟性を高めたい人に特におすすめです。
アイアンガーヨガ
アイアンガーヨガは、プロップスを使い、1つ1つのポーズをじっくりと時間をかけて行うので、早い動きが苦手な人にもおすすめです。身体が痛い、硬くて手が届かない、などの場合も、インストラクターの指示に従いながら、それぞれ適切な補助器具を使いながらヨガを行うので、身体に無理な負担をかけずに行えるヨガです。
男性におすすめのヨガポーズ
鷲のポーズ
男性には肩甲骨周りをほぐすポーズがおすすめです。鷲のポーズでは、普段の生活では行わない「ねじり」を両腕と両足で同時に行うので、上半身の血流が良くなるとともに、下半身の筋力も鍛えられます。
また、片足立ちのポーズなのでバランスを崩さぬようポーズに集中する必要があり、精神力が高まるという効果もあります。
戦士のポーズ
戦士のポーズにはさまざまなバリエーションがあります。どのポーズも腰を正しい位置に固定した状態で、両手両腕を左右や前後、天井に向かって伸ばします。
下肢には適度な負荷がかかりますので、筋力向上の効果があり、肩回りはストレッチ効果により、すっきり軽くなるというメリットもあります。戦士というポーズの名前だけあり、仕事や目標を頑張る男性にはピッタリのポーズです。
足を開いた前屈
「自分は身体が硬い」と思っている男性がほとんどです。それもそのはず、男性の足の筋肉も女性とはやや異なり、筋肉質で硬く、伸ばしにくい傾向にあります。前屈を行う際には、両足を揃えた状態で行う人が多いのですが、身体が硬い男性の場合、足の裏ももやふくらはぎに負荷がかかりすぎることがあります。
両足を肩幅に広げて行う前屈は、負荷がかかりすぎず無理なく前屈を行う事が可能です。足を広げた状態で腰から曲げる前屈では、ほとんどの人が床に手を付けることができるので、誰でも簡単に逆転のポーズのような逆さまの状態を作り上げることができます。深呼吸をしながら、重い頭を重力に任せてゆっくり揺らしたり首回しをすることで、頭に酸素が行き渡り、思考がクリアになるという効果もあります。
まとめ
今回は男性が行うヨガの効果や、おすすめのヨガについて紹介しました。現在では、女性に大人気のヨガですが、もとは、男性がはじめたヨガ、男性にこそおすすめのヨガということが、お分かりいただけたのではないでしょうか?
最近では、たくさんの男性人気ヨガインストラクターが活躍しています。室内ヨガだけではなく、屋外ヨガイベントやオンラインヨガなど、さまざまなメンズヨガクラスが開催されていますので、是非自分にあったヨガクラスに参加してみてくださいね。
ヨガインストラクター。2015年友達に誘われてヨガを行ったことをきっかけに、ヨガの魅力に取りつかれ、毎日ヨガスタジオに通うように。インド人師匠の勧めで、メキシコで開催された2か月間にも及ぶヨガティーチャートレーニングに参加、2017年ビクラムヨガ講師の資格を取得。2018年バリ島にて、バレエヨガ・ピラティスの資格を取得。現在は同じくヨガ講師の夫、3人の子供たちとインドネシアバリ島在住。