マタニティヨガの禁忌ポーズ|妊娠中にやってはいけないポーズとは?

マタニティヨガを始めようと思った時、果たして妊婦が行うヨガが安全なのか、やってはいけない時期があるのかどうか気になるかもしれません。

今回は、そんなマタニティヨガでの禁忌ポーズや、やってはいけない時期、マタニティヨガを行う上での注意点について紹介します。

マタニティヨガでやってはいけないポーズとは?

ヨガ

お腹を圧迫するポーズ

マタニティヨガで一番気を付けなければならないのが、お腹へかかる外部からのプレッシャーです。妊娠中すべての期間を通し、お腹を圧迫するポーズは避けなければいけません。具体的にはうつ伏せで行うすべてのポーズや、足を閉じた状態で行う前屈や強いねじりのポーズなどです。

禁忌ポーズ例

  • 上向きの犬のポーズ
  • 半分の魚の王のポーズ
  • 足を閉じた前屈ポーズ(足を開けば可能)

お腹の筋力を過度に使うポーズ

お腹を圧迫しないポーズ以外にも、お腹の筋力を過度に使うポーズは注意が必要です。適度な腹筋は効果がありますが、筋肉痛になるほどの負担をかけてしまうと、胎児が苦しい可能性も。

また、足がつりやすくなったり、疲労感が残る原因にもなります。ただでさえ妊婦さんは疲れやすいので、くれぐれも無理はしないようにしましょう。

禁忌ポーズ例

  • 四肢で支える杖のポーズ(膝をつけば可能)
  • 船のポーズ

運動量が多すぎるポーズ

運動量が多く、母体が苦しいと感じるとき、赤ちゃんも苦しかったり酸素不足になってしまうこともあります。しっかりと深い呼吸ができるポーズのみを行い、母体に無理な負担をかけないよう気をつけましょう。

また、妊娠中はホルモンの影響で骨盤が緩んでいます。普段よりも股関節が柔らかく感じ、ストレッチしすぎてしまうと股関節を痛める原因にもなります。くれぐれも過度な負荷は禁物です。心地よく感じるところで深く深呼吸しながらポーズを行いましょう。

マタニティヨガをやってはいけない時期は?

マタニティヨガ

マタニティヨガをやってはいけない時期

ヨガ経験者でご自身のコンディションをよくわかっている方は、母体が心地よいと感じるのであればどの時期でもヨガを行うことができます。妊娠初期に起こってしまう流産は染色体異常であることがほとんどで、ヨガを行ったからといって流産をすることはほぼありません。そのため、妊娠初期からでもヨガを行いたいと妊婦さんが思うのであれば、マタニティヨガを行っても問題はないとされています。

とはいえ妊娠初期は、つわりが起きたり、ホルモンの急激な変化で精神的にも不安定になりやすい時期です。マタニティヨガを含むすべてのヨガ自体をはじめて行う方や、ヨガ初心者で不安を感じる方は、医師の許可が下りてから、もしくは、安定期に入ってから行うようにしましょう。

大切なのはお母さんが心地よくヨガを行えるかどうかです。安定期に入っても、気分が乗らないときには無理にヨガを行う必要はありませんし、安定期に入る前にもヨガを行いたいと思ったのなら行っても問題はありません。(後述する行ってはいけないポーズ以外)

また、以下の場合は行っていけないポーズやヨガ自体を控えたほうがいい場合もあります。必ず、主治医やマタニティヨガ指導者の指示に従い、自己判断でのヨガは行わないようにしましょう。

  • 切迫流産・早産の可能性がある
  • 逆子の場合
  • 多胎妊娠
  • お腹の張りを感じる時

マタニティヨガをやっていい時期

前述の通り、ヨガを行う時期について、特に制限はなく医師から特別な指導を受けていない限りは、妊娠中全期間を通してヨガを行ってよいとされています。

妊娠初期には心身共にリラックスできる座位や寝て行うポーズ。妊娠中期に入ったら足腰を強化する立位のポーズや股関節の柔軟性を高めるポーズ。妊娠後期にはお産へ向けて呼吸法や腰痛改善に効果があるポーズなどを行うといいでしょう。

マタニティヨガの注意点

マタニティヨガ

お腹を締め付けない服装

マタニティヨガを行う際、着用するヨガウェアに注意する必要があります。妊娠中はバストサイズが1,2サイズあがるのが普通です。

普段着用しているヨガ用ブラトップが窮屈に感じたり、肌が敏感になりちくちくと不快に感じる方もいます。マタニティヨガをストレスなく快適に行うためにも、着心地の良い素材でゆったりとしたヨガウェアを選ぶようにしましょう。

こまめな水分補給

妊娠中は大量の血液が作られるため、普段よりもたくさんの水分を必要とします。脱水症状になってしまうと、母子ともに危険な状態になることもあります。出来れば「喉が渇いたな。」と思う前には、水分を補給するのを推奨します。

また、大量の汗をかいた場合には、ひとつまみの塩とレモン汁を入れた水を飲むのも効果的に体内に水分を吸収することができ、脱水・熱中症予防に効果的です。

転倒しないよう配慮

妊娠中はお腹の重みに加え、注意力が散漫になることがあります。そのため妊娠前に出来ていたバランスポーズでふらつくことも。片足立ちのポーズでは壁やブロックを使い転倒しないよう配慮することが大切です。

また、妊娠中の身体の重みを改善するために、逆転のポーズ(頭立ちのポーズなど)を行う方もいます。逆転のポーズはむくみ改善や、血行促進に良い効果がありますが、転倒してしまうと大変危険です。逆転のポーズを行う際は必ず壁の前で行い、転倒しないよう気をつけましょう。

冷えに注意

妊婦さんにとって冷えは大敵です。体が冷えてしまうと、血行が悪くなり、お腹の張りにつながったり、足がつってしまうことも。ヨガ中はぽかぽかと体が温まりますが、ヨガを終えて汗がひいたあとには、急激に身体が冷えないよう注意しましょう。

まとめ

今回はマタニティヨガを行ううえでの禁忌ポーズについて紹介しました。妊娠中にヨガを行う事は母体にとっても良いと医学的にも証明されています。

妊娠中にはお腹を圧迫・負担をかけるポーズを除き、ほとんどのヨガポーズを行うことができます。ご自身の体調を確認しながら安全にマタニティヨガを行ってくださいね。

参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp