近年、瞑想や心身の安定を重視したヨガ以外にも体幹や筋肉の強化を目的としたピラティスが人気急上昇しています。ピラティスと聞いてもヨガとの違いは一体なにか気になる方もいるのではないでしょうか?
今回は、そんなヨガとピラティスの違いや、ヨガ・ピラティスを行うのにおすすめな人などを紹介します。
ヨガとピラティスの起源や目的は?
精神面に重点を置くヨガ
インドが発祥の地として知られるヨガの起源は4000年以上前に修行を目的として行っていたことが始まりと言われています。インドでは各村にアシュラムと言われるヨガ道場があり、仏教徒や、ヒンドゥー教徒の修行僧たちが今もヨガを行っています。そんなインド発祥のヨガが弟子達により欧米にわたり、引き継がれていき、ヨガスタイルによってはアレンジが加えられて広まっていったのが現在のヨガスタイルです。
ヨガの種類は太陽礼拝をメインとしたアシュタンガヨガをはじめ、じっくりとポーズを行う陰ヨガや、瞑想に重きを置いたマインドフルネスなヨガまで、さまざまなヨガがあります。一般的にヨガでは自分の内面にフォーカスし、ヨガポーズをとりながら呼吸をしっかり意識することで自律神経を整え、精神の安定を促すことができます。
ヨガを行うことが、忙しい現代人の休息・ストレス解放の時間になっていることも多く、また、デスクワークや立ち仕事で硬くなった身体をほぐしたり、ストレッチをして柔軟性を高める効果もあります。
体幹を鍛えるピラティス
ピラティスは20世紀前半にドイツ人であるジョセフ・H・ピラティスにより生み出されたエクササイズです。ジョセフ氏によると、ピラティスは単なるエクササイズではなく、「全身の細やかな筋肉と精神を自分自身でコントロールするための学問」と提唱しています。
ピラティスでは体幹やインナーマッスルを鍛えることや、四肢の筋力強化や、筋持久力の向上も期待されていて、軍隊のトレーニングにピラティスメソッドを取り入れていることもあるほどです。ピラティスを行う事で、筋力強化はもちろん、正しい姿勢を保つことができるようになり、身体全体を引き締め、また筋力があがることで新陳代謝も良くなり、日々健康に生活できるようになります。
軍隊にも取り入れられていると聞くとハードなイメージがありますが、各スタジオやオンラインクラスでは初級から上級クラスまであり、またビギナー用のオプションポーズがあることがほとんどですので、はじめての人でも無理なく行うことができるエクササイズです。
ヨガとピラティスの呼吸法の違い
腹式呼吸のヨガ
ヨガでは鼻から吸い口から出したり、鼻から吸って鼻から出すなど、複数の呼吸法がありますが、すべて腹式呼吸で行います。ヨガではお腹を凹ませたり、膨らませたりすることが特徴で、呼吸を意識しながらポーズを行う事で身体の緊張をほぐしたり、ストレスの軽減、リラックス効果も期待できます。
胸式呼吸のピラティス
お腹を意識するヨガとは異なり、ピラティスでは肋骨を広げたり閉じたりすることを意識する、胸式呼吸を行うのが特徴です。この呼吸法では、特に負荷がかかるポーズでも、意識を呼吸に向けることで正しい姿勢でポーズをホールドすることができたり、酸素を十分に身体に取り込むことができます。
ヨガとピラティスの動きの違い
ストレッチや身体の柔軟性を高める動きが多いヨガ
ヨガでは呼吸法や瞑想からスタートするのが一般的で、その後だんだんと体の各部位をほぐしていくストレッチのような動きが多くなっています。柔軟性を高めたり身体のゆがみを整えることに重点を置いているクラスも多く、産後の骨盤位置の修正や、初心者にも行いやすいポーズが多いのが特徴です。
筋力や体幹を高める動きが多いピラティス
ピラティスでは、インナーマッスルを鍛えることに重点を置いています。特にお腹の体幹を鍛えるために行われる動きではプランクポーズがあり、数分ホールドして数秒休む。など、身体に負荷がかかるポーズのインターバルトレーニングを行うこともあります。
ヨガとピラティスどっちがいい?
結局のところ、ヨガ・ピラティス、どちらがいいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか?
ヨガでは、精神面に特化していることが多く、リラクゼーション効果が高いことが特徴です。呼吸を意識しながら身体のさまざまな部分を伸ばしていくため、柔軟性を高めたい人やゆったりとした気持ちでヨガを行いたい人には向いているといえるでしょう。
反対にピラティスは、「クラスのあとは必ず筋肉痛になる。」と言えるほど、身体に負荷をかけます。そのため、最短でボディメイクができたり、身体を引き締めることができるなど、ダイエットしたい方にはおすすめです。
こんな人にはヨガがおすすめ
- 瞑想したり精神面の安定を求めている人
- ハードな運動は苦手な人
- 柔軟性を高めたい人
- 身体のゆがみを整えたい人
こんな人にはピラティスがおすすめ
- 体幹を鍛えたい人
- 筋力を上げて引き締めたい人
- ハードな運動が好きな人
- ダイエットしたい人
まとめ
今回はヨガとピラティスの違いについて紹介しました。前述の通り、ヨガでは自分自身の内面にフォーカスし、同時に身体を伸ばしたり、骨のゆがみを整えるのが目的ですが、ピラティスでは、インナーマッスルを鍛え、見た目にも引き締めることができるのが目的です。
ヨガ・ピラティスにもさまざまなクラスがあり、ほとんどのクラスが初心者から受講可能ですので、気になる方はぜひ挑戦してみてくださいね。
ヨガインストラクター。2015年友達に誘われてヨガを行ったことをきっかけに、ヨガの魅力に取りつかれ、毎日ヨガスタジオに通うように。インド人師匠の勧めで、メキシコで開催された2か月間にも及ぶヨガティーチャートレーニングに参加、2017年ビクラムヨガ講師の資格を取得。2018年バリ島にて、バレエヨガ・ピラティスの資格を取得。現在は同じくヨガ講師の夫、3人の子供たちとインドネシアバリ島在住。