ヨガと筋トレは似ているように思えますが、身体に働きかける効果が異なります。それぞれのメリットを取り入れたヨガと筋トレの併用は、より早く効果を感じられるため、おすすめです。
今回は、ヨガと筋トレについて紹介します。ヨガと筋トレを併用する方法やメリット、筋トレ前後に行うおすすめのヨガポーズも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ヨガと筋トレの違いとは?
「ダイエットしたい、身体を引き締めたい」と思う方のなかには、「結局ヨガと筋トレどっちがいいの?」と悩んでいる方も多いでしょう。しかし、ヨガと筋トレは「似て非なるもの」です。
ヨガはゆがんだ骨格や姿勢を矯正し、本来あるべき位置に戻しながら柔軟性を高め、体幹を鍛えるのに対し、筋トレは筋肉量をあげ、部分的に増強します。また、ヨガは深い呼吸を意識しながら身体を動かす「有酸素運動」ですが、高い負荷を短時間でかけながら、息をシュッっと吐き出す筋トレは「無酸素運動」と大きな違いがあります。
ヨガと筋トレどっちがおすすめ?
ヨガと筋トレのどちらがよいかは、目指すゴールによって異なります。普段運動をあまりせず、負荷の弱いエクササイズを行いながら、猫背や肩こりを改善させたいという方はヨガがおすすめです。
- 運動不足を感じていて、軽く体を動かしたい
- 姿勢を正して定着させたい
- パソコンやスマホの見過ぎでで肩こりが酷く頭をすっきりさせたい
- 柔軟性を向上させ、体幹をつけたい
- 冷えやむくみを改善して代謝をあげたい
- エクササイズで気分転換しリラックスしたい
反対に、動くのが好きだったり、すでにある程度の運動を日常的に行っていて、より筋肉を増強したい方には、筋トレがおすすめです。
- 負荷の大きい運動によってストレス発散したい
- ボディメイクをしたい
- 短期間で効果的にダイエットしたい
- 激しい運動が好き
ヨガと筋トレを併用するメリット、やり方
前述したとおり、ヨガと筋トレは得られるメリットが異なりますが、ヨガと筋トレお互いのメリットを両方取り入れることでより効果的に身体を作り上げることができます。
ヨガと筋トレを併用するメリット
ヨガは体幹を鍛え柔軟性を高めるエクササイズですが、筋トレは筋肉を部分的に鍛えるエクササイズです。ヨガと筋トレを併用することで、柔軟性を高めながら気になる部分を引き締められるので、理想の体に近づけるには最適な運動方法といえます。
例えば、「腕回りは気にならないけど、お腹まわりをすっきりさせて脂肪を落としたい」と望む方は多くいます。その場合には、ヨガのあとに、お腹まわりを引き締める筋トレを追加すると、より効果を感じられます。
また、ヨガと筋トレを併用すると、柔軟性と筋力のバランスが取れます。筋トレだけしている人やアスリートにありがちな、運動後の身体の痛みも、ヨガで身体の筋を伸ばすことができ、痛みの軽減が出来ます。筋トレで筋力を上げ、硬くなった筋肉をヨガで伸ばすことで、バランスの良い身体が出来るのです。
ヨガと筋トレを併用する時のやり方
ヨガと筋トレを併用する際には、ヨガ→筋トレ→ヨガと、筋トレの間にヨガを挟む順番が効果的です。まずは体をほぐすために、簡単なヨガを行い身体を温めます。肩甲骨周りをほぐし可動域を広げるポーズや、身体の柔軟性を高めるポーズを行うと、血流の流れが良くなり、のちの筋トレでケガを防ぐ効果もあります。
ヨガは有酸素運動ですので、20分以上続けることで脂肪が燃え代謝があがります。最低20分は続けるようにしましょう。ヨガを終えたら、その後筋トレをすることでより効率よく筋肉に働きかけ、脂肪燃焼効果も期待できます。筋トレをすると一時的に筋肉が増強します。増強し硬くなった筋肉を最後にヨガでもう一度ほぐすことで、翌日の筋肉痛緩和にもつながります。
理想のヨガと筋トレの併用60分メニュー
前述の通りヨガは有酸素運動の為、20分は動かなければ代謝が上がりません。そのため最低でも20分はヨガを行い、その後筋トレを行い、最後は筋肉を休ませる意味を込めてゆったりとしたストレッチヨガを行うのが理想です。
20分 | 身体を温めるストレッチや、前屈後屈ツイストが入ったヨガポーズ |
---|---|
30分 | 筋トレ |
10分 | 筋肉をほぐすストレッチヨガポーズ |
それでは、具体的にどんなヨガポーズを行えば良いのか事項で詳しく紹介します。
筋トレ前におすすめのヨガやポーズ
筋トレ前に行うヨガポーズは、代謝をあげるためにも、やや運動量があるポーズや、首回り・肩回りをほぐすポーズがおすすめです。
太陽礼拝
太陽礼拝には、筋トレ前のヨガに効果的なポーズがすべて揃っています。
- 前屈(立位前屈)
- 肩甲骨周りをほぐすポーズ(下向きの犬)
- 後屈(上向きの犬)
- 体幹を鍛えるポーズ(四肢のポーズ)
太陽礼拝は動く順番が決まっているので、一度覚えてしまえばウォーミングアップに最適です。最初に呼吸法を含めた簡単なストレッチから入り、太陽礼拝をゆっくり5回ほど繰り返すと大体20分になるので、筋トレ前の集中力を高めるために理想のヨガポーズといえるでしょう。
鷲のポーズ
筋トレの怪我に多いのが、急な負荷により筋を痛めたり肉離れを起こす事です。しかしながら、筋トレの怪我は事前にウォーミングアップをすることで防げます。なかでも特におすすめなのが、脚も腕もねじるポーズである鷲のポーズ。
鷲のポーズは、肩甲骨をほぐし柔軟性を高める効果にくわえ、両足のストレッチと強化、骨盤の安定にもつながるので、筋トレ前に適したヨガポーズです。
片足をかけたハトのポーズ
いわゆるピジョンポーズは、太ももの裏側にあるハムストリングをしっかりと伸ばせます。筋トレではハムストリングに効かせることも多く、事前にここの筋肉を伸ばしておくことで、怪我を未然に防ぐほか、筋トレの運動性も高まります。
片足を曲げて前に置いたまま背筋を伸ばして座りますが、ゆっくりと前屈すると、より裏ももが伸びます。背中や腕回りのストレッチもできるので、ぜひ筋トレ前に取り入れたいポーズです。またこのポーズはヨガ前だけではなく、ヨガ後に行うのもおすすめです。
筋トレ後におすすめのヨガやポーズ
筋トレ後のヨガポーズは、筋トレで使った筋肉をクールダウンさせるような座位や寝たまま行えるポーズがおすすめです。
チャイルドポーズ
筋トレでは負荷がかかるとより夢中になり、背中や肩の筋肉が強張った状態であることが多いです。本来であれば、背中や肩はリラックスしたまま筋力をかけなければいけないのですが、負荷が強くなればなるほど強く張ってしまうのも現実です。
その背中や肩周りをしっかり伸ばしてくれるのがチャイルドポーズ。ヨガの最中の休憩でも行うチャイルドポーズは、心身ともにリラックスできるポーズとしてほぼすべてのヨガクラスに取り入れられています。腕を伸ばさず身体の横に置く場合と、腕を前に伸ばしてストレッチする場合とがありますが、腕を前に伸ばしてし、なおかつ手の下にブロックを置いて高さを出すと、より背骨のストレッチになります。
ガス抜きのポーズ
ガス抜きのポーズはあおむけになったまま両足をまげてお腹に引き付け抱え込むポーズです。足のストレッチになるほか、ヨガマットについた背骨がしっかり伸びる感覚があります。
このポーズから足を上にあげてシェイクしたり、前後に動かし可動域を伸ばしたり、つま先を両手でつかんでハッピーベイビーのポーズに派生させたりとさまざまなバリエーションがあります。深く考えずに自分の心地よいと思うポーズを行うのもよいでしょう。
合っせきのポーズ
合っせきのポーズはいわゆるあぐらのポーズです。両足裏を合わせるようにくっつけ、つま先を両手で包み込むポーズは股関節のストレッチに最適です。このポーズのまま身体を前に倒すと、太もも裏やふくらはぎのストレッチになります。
足先を前方に移動させ、身体から離すとより負荷が高まるので、個人の身体の状態に合わせて調整しましょう。合っせきのポーズを取りながら、両ひざを上下にパタパタと動かすと、骨盤を緩めたり、お尻の筋肉をほぐしたりできるので、是非とも筋トレ後に取り入れたいポーズです。
まとめ
今回はヨガと筋トレの併用について紹介しました。ヨガと筋トレは単体で見ると似て非なるものであると冒頭で紹介しましたが、アスリートも日常生活にヨガを取り入れるなど、ヨガと筋トレを合わせると相乗効果があがることが周知され始めています。
ヨガと筋トレを併用した自分用のシークエンスを作って定期的に行えば、柔軟性と筋力アップの両方を手に入れることも可能です。ぜひ参考にしてくださいね。
ヨガインストラクター。2015年友達に誘われてヨガを行ったことをきっかけに、ヨガの魅力に取りつかれ、毎日ヨガスタジオに通うように。インド人師匠の勧めで、メキシコで開催された2か月間にも及ぶヨガティーチャートレーニングに参加、2017年ビクラムヨガ講師の資格を取得。2018年バリ島にて、バレエヨガ・ピラティスの資格を取得。現在は同じくヨガ講師の夫、3人の子供たちとインドネシアバリ島在住。