ヨガで感じやすい効果のひとつが、便秘の解消です。即効性があるため、レッスンの直後に変化を感じる方もいますが、この効果は一時的なものではなく、ヨガを続けることで便秘になりにくい体質をつくることもできるのです。
本記事では、ヨガで便秘が解消できる理由と、効果を感じるためのコツ、便秘解消におすすめのヨガポーズを5つご紹介します。
ヨガで便秘は解消できる?
ヨガは便秘解消にとても効果があります。便秘の原因は、腸だけだと思われがちですが、消化に関わる全ての器官、口、食道、胃、小腸、大腸、肛門がスムーズに機能することで、適切な消化・吸収・排便がおこなわれているのです。
これらの器官は、自律神経によりコントロールされているため、自律神経の乱れが、消化器官の働きを悪くします。この自律神経はストレスや生活習慣の乱れに弱い、という特徴がありますが、ヨガは、自律神経を整える効果がばつぐんなのです。
呼吸とポーズで内臓がげんきに!
ヨガでとても大切にする深い呼吸。内臓をコントロールする自律神経は、自分の意志で動せるものではありませんが、呼吸は、間接的に自律神経を整えることができる唯一の手段です。深くやさしい呼吸は、自律神経の1つ、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせ、つよい呼吸は交感神経を優位にし、集中力を高めます。
ヨガは自律神経の乱れを整えてくれるため、内臓が適切に働き、消化・吸収・排出活動がスムーズになるのです。また、ヨガのポーズ、特に、側屈やねじりのポーズでは、腸がマッサージされ、排便をスムーズにする効果が期待できます。
便秘になりにくい身体に
ヨガを継続することで筋肉量が増えるため、便秘になりにくい身体をつくることができます。大腸で作られた便は、大腸を取りかこむ筋肉に押される「ぜんどう運動」によって直腸に運ばれ、骨盤底筋につながる肛筋の力で肛門から排出されます。
腹筋が増えることで「ぜんどう運動」が活発になり、骨盤底筋が鍛えられることで、便を身体から押しだす力が増すのです。特に、ヨガは普段鍛えにくいインナーマッスルにアプローチするため、骨盤底筋を鍛えるには最適です。骨盤底筋がつよくなると、便秘だけでなく、頻尿や姿勢改善も期待できます。
ヨガで効果的に便秘を解消するコツ
便秘解消にとても有効なヨガですが、更に効果をたかめるコツをご紹介します。
水分補給はしっかりと
水分不足は便をかたくし、排出をさまたげるため、便秘対策としては王道ですが、お水をしっかりとることはとても大切です。人の身体は約60%が水分で、1日の水分摂取量は体重1kgにつき35ml(体重50kgであれば約1.8ℓ)も必要です。ヨガの最中にも、こまめにお水をとるようにしましょう。おすすめは、負担なく吸収できる常温のミネラルウォーター。
また、ヨガをしているかぎり「水を飲みすぎてむくむ」という心配は無用です。むくみの原因は水分のとりすぎではなく、体内の水分バランスの乱れです。ヨガでリンパを流し、水分バランスを整えることができるため、安心してお水を飲んでください。また、朝起き抜けにのむコップ1杯の常温水は、消化器官の働きを良くして排便を促すため、とてもおすすめです。
ポーズを頑張りすぎない
便秘対策に欠かせない自律神経を整えるには、リラックスして深い呼吸を通すことが重要です。ヨガ=ポーズというイメージがあるかもしれませんが、インストラクターのようにポーズをとる必要はありません。自分の身体のかたさ・状態をよく見て、「安定して、快適に呼吸ができるところ」を見つけましょう。
ポーズばかり頑張りすぎると呼吸が止まり、筋肉がかたくなるため、逆効果です。いつでも、呼吸が通っているか、みけんにしわが寄っていないか、肩に力が入っていないかを確認しながら、ヨガを心地よい時間にすることが、体を上手に整えるコツでもあります。
便秘解消におすすめのヨガポーズ
では、便秘解消におすすめのポーズを5つご紹介します。
アルダ・マッツェンドラーサナ(座位のねじりのポーズ)
マールジャーラーサナ(キャット&カウ)
ウティダ・パールシュヴァコーナアーサナ(体側を伸ばすポーズ)
セツバンダーサナ(橋のポーズ)
パヴァナ・ムクタ・アーサナ(ガス抜きのポーズ)
まとめ
便秘の解消にとても有効なヨガ。お薬のような一時的な効果だけでなく、体質自体を変えられるところも嬉しいポイントです。ヨガで便秘体質からぬけだし、こころもからだもスッキリとさわやかな毎日を送りましょう!
東京都を中心に活動するIHTA認定ヨガインストラクター。会社員としての経験を持ち、自身の健康を意識することからヨガを始める。身体だけでなく、心も健康にするヨガの魅力を知り、この魅力を広く伝えたいという思いからヨガインストラクターに転身。マインドを明るくするような朝ヨガ・リフレッシュ効果の高いフロー感のあるヨガを得意とする。