ヨガの立ちポーズは苦手?代表的なポーズと効果、できないときのコツを解説!

全身を大きくつかい、たくさんの筋肉や関節をととのえ、うつくしい姿勢へと導いてくれるヨガの立ちポーズ。なれないうちは、あしがつらい、ぐらぐらして安定しないなど、苦手意識をもつ方も多いかもしれません。

今回は、ヨガの代表的な立ちポーズとその効果、立ちポーズを安定させるコツをくわしくご紹介します。

有名なヨガの立ちポーズ

ヨガにはたくさんの立ポーズがありますが、今回は、ヨガレッスンで一度は耳にしたことがある人気のポーズを3つ、ご紹介します。

タダーサナ(山のポーズ)

ヨガポーズ
ひとつめは、タダーサナ(山のポーズ)、立位の基本ポーズです。みた目には、とてもシンプルですが、ただ立っているだけではなく、骨や筋肉を本来のただしい場所におさめ、安定させる必要があるため、姿勢が悪いひとほど、窮屈さや、よけいな力みを感じやすいかもしれません。また、タダーサナは、ただしい筋肉と骨の位置を意識しなければならないため、呼吸をわすれがち。深い呼吸が止まらないように、注意しましょう。すべてのヨガのポーズ(アーサナ)は、呼吸が動きを先導し、安定させるものです。タダーサナで、本来のただしい姿勢がキープできるようになると、マットをはなれた日常でも背筋がシャキッと伸び、呼吸が深まり頭もクリアになるため、内側からも、外側からも若々しさを保つことができるでしょう。

ヴィーラ・バドラーサナⅠ(戦士のポーズ1番)

ヨガポーズ
ふたつめは、ヴィーラ・バドラーサナⅠ(戦士のポーズ1番)。こちらはあしを大きく前後にひらき、上半身を上に伸ばす体勢となるため、タダーサナ(山のポーズ)よりも力強いポーズです。下半身を安定させることができれば、胸から上はリラックスしながら、しなやかに上に伸びあがることができますよ。太ももがつらい、というときは、後ろあしをしっかりとふみ込み、両足に均等に体重をのせて。ヨガのポーズは、自分にとって、心地よいものです。つらい、と感じたら、それはヨガではなくて、エクササイズになってしまっているかもしれません。人のまねっこをするのではなく、自分が心地よいかを最優先に、ポーズをとってみましょう。

ブルクシャーサナ(立ち木のポーズ)

ヨガポーズ

最後は、初心者の方でもトライしやすいバランスのポーズ、ブルクシャーサナ(立ち木のポーズ)です。ブルクシャーサナは、タダーサナ(山のポーズ)で土台を作ります。背骨の自然はS字カーブをととのえ、あしはしっかりと地面をふみしめ、上半身はリラックスさせて。そこから軸あしに体重をかけ、もう片方のあしを外側にまわしながら、軸あしにひっかけます。あしを上げる角度は、安定するところまででOKですが、軸あしを痛めないように、ひざは避けてください。下半身が安定していたら、両手は天井に伸ばして合掌し、目線は正面にむけましょう。

ヨガの立ちポーズの効果

ヨガの立ちポーズは、仰向けや座位にはない力強さがあり、全身の筋肉・骨にアプローチして呼吸を深めるポーズです。なれるまでは少し時間がかかるものの、自然と安定させられるようになるころには、さまざまなよい効果を感じることができるでしょう。

筋力UP

立ちポーズは、軸あしで地面をおす力を、上に伸びあがる力に変え、重力にまけない筋力を育てることができます。とくに、体の内側についている、関節をささえる筋肉、インナーマッスルをきたえる効果がバツグン。

ここがきたえられることで、関節のゆがみが解消し、全身の筋肉をバランスよく使えるようになるため、同じ力加減でも、発揮できる力の量が変わります。歩くときにあしが高く上がり、転びにくくなるなど、日常生活での変化も感じることができるでしょう。

姿勢の改善

インナーマッスルがきたえられ、関節のゆがみがととのうことで、姿勢がよくなるのも、立位のポーズのメリットです。とくにタダーサナ(山のポーズ)は普段力みやすいところや、自分のかたよりに気がつく効果も高いため、姿勢改善にはとてもおすすめ。

自分のくせに気がつくことで、日常生活で負担をかけやすい部分をケアできるようになるため、マットをはなれていても、自分をいたわるヨガの時間となるのです。

血行促進

立位のポーズは、体を大きくうごかすものが多いため、血行の促進に効果的です。血行をよくするためには、とくに、第2の心臓とよばれるふくらはぎを強く使うポーズ、ウッティタ・アシュワ・サンチャラナーサナ(ハイランジ)やヴィーラ・バドラーサナⅢ(戦士のポーズ3番)がおすすめ。

ふくらはぎを強くつかうことで、筋肉が血をおくる仕組み、筋ポンプ作用がよくはたらき、あしもとから血液が力強くながれることで、下半身の冷えや、生理痛をやわらげる効果も期待できます。

ウッティタ アシュワ サンチャラナーサナ(ハイランジ)

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ヴィーラ・バドラーサナⅢ(戦士のポーズ3番)

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ヨガの立ちポーズを安定させるコツは?

あしが痛い、ぐらぐらして全然安定しない!と、立ちポーズに苦手意識をもっていませんか?「あこがれの立ちポーズを安定させるために、筋トレしなきゃ、、」そんな試練のようにとらえるのは、もったいないことです。

立ちポーズを安定させるために、最低限の筋肉は必要なものの、それだけではありません。いくつかポイントをおさえることで、今の体の状態でも、確実に安定させることができるので、ぜひ試してみてください。

地面をしっかりおす

立ちポーズの軸となるのは、あしですが、「立つ」ということは、「地面をおして、重力に逆らい体を支えること」だと認識するだけで、安定感が増します。

しっかりと地面をおすためには、足裏にかたよりがないように地面をふみ、土ふまずを引きあげ、ひざとつま先の向きを合わせて、お尻を引きしめることが必要です。ここまで意識できれば、下半身がゆるまず芯がとおった状態となり、下におした力がおへそのあたりまで、伸びあがる力に変わります。

体幹を起動させる

おへそまで引きあがった伸びあがる力を、さらに上に引き上げるためには、体幹を起動させること。体幹とは、胴体まわりの筋肉で、おなかを1cmほど、かるく引きしめ、お尻の穴を上に引き上げるような意識をもつことで、よくはたらきます。

体幹を起動させると、広がっていた内臓がぎゅっとまん中に集まり、上半身にも1本の芯がとおった状態になるのです。地面を押した力がその芯をとおって上に向かう力に変わり、それの力により沿うことで、しなやかに伸びあがることができます。

目線でバランスをとる

立位、とくにバランスのポーズは目線がとても大切。頭の重さは体重の10%もあるため、頭の位置がブレると、バランスがとりにくくなります。正しい目線は、首の骨、頚椎の角度を決め、おもい頭を安定する位置におさめてくれる、ひとつのツールでもあるのです。

ヨガでは、目線のことを「ドリスティ」といい、とくに体をアクティブに動かすアシュタンガヨガでは、ドリスティも含めてひとつのポーズとしているほどに、重要なのです。

まとめ

全身をととのえ、こころをととのえてくれる、ヨガの立位のポーズ。安定させるポイントをおさえ、ちょうどよい塩梅をみつけることで、とても心地よいものに感じるはずです。

立位のポーズにかぎらず、ヨガのすべてのアーサナは快適で、安定しているもの。気持ちよく身体を動かし、呼吸をとおし、集中しているうちに、自分のよい変化を感じることができるでしょう。