クンダリーニヨガとは?効果や特徴、やり方も紹介!

潜在的なエネルギーを覚醒させ、自分を解き放つことで、精神的な変化を感じることができるクンダリーニヨガ。人間の内に眠るエネルギーに着目し、コントロールすることで心身を健康に導く手法のヨガです。

本記事では、クンダリーニヨガとは何か、その特徴や効果、どんな人におすすめか、クンダリーニヨガのやり方についてご紹介します。

クンダリーニヨガとは?

ヨガ

クンダリーニヨガは、内なる生命エネルギーを活性化させ、自分を解き放つ精神主義的なヨガです。クンダリーニとは、とぐろを巻いて眠る蛇のような、背骨の基部に眠る潜在的なエネルギーを指し、このクンダリーニを覚醒させることで、悟りの境地を目指します。

クンダリーニが覚醒すると、生命エネルギーの通り道であるナーディー、エネルギーの出入り口であるチャクラが活性化し、身体に生命力が満ちるため、心身を淀みのない健康な状態に導きます。

クンダリーニヨガは「気づきのヨガ」

人間の体には脊柱から頭頂にかけて7つのチャクラ(エネルギーの出入口)があり、体中を巡る生命エネルギーの起点が、このチャクラです。

クンダリーニヨガでは、尾てい骨にある第1チャクラから、頭頂にある第7チャクラに向かってエネルギーを上昇させることで、自分を解き放ち、覚醒する感覚を体験できるといわれています。この覚醒状態では生命力がみなぎり、心豊かな状態で、本当の自分、やるべきことがクリアになるため、「気付きのヨガ」とも言われています。

7つのチャクラ

チャクラ

  • 第1のチャクラ:ムーラーダーラ・チャクラ。尾てい骨辺りに位置する。安定性・生存・欲を司る。
  • 第2のチャクラ:スヴァディシュターナ・チャクラ。丹田に位置する。創造力、性的能力、人間関係を司る。
  • 第3のチャクラ:マニプーラ・チャクラ。みぞおち辺りに位置する。力・意志・行動を司る。
  • 第4のチャクラ:アナーハタ・チャクラ。胸の中心に位置する。愛・治癒力・喜びを司る。
  • 第5のチャクラ:ヴィシュッダ・チャクラ。のどに位置する。自己表現・真実を司る。
  • 第6のチャクラ:アージュニヤー・チャクラ。眉間に位置する。直観力・智慧を司る。
  • 第7のチャクラ:サハスラーラ・チャクラ。頭頂に位置する。至福の境地をもたらす。

参考文献:クリスティーナ・ブラウン(2004) 『ヨーガバイブル』(小浜香訳) 産調出版株式会社

クンダリーニヨガの特徴

クンダリーニヨガのクラスでは、力強い「火の呼吸」と簡単なエクササイズを組み合わせ、リズミカルに動きます。短時間で体中に新鮮な酸素がいきわたり、脳と筋肉が活性化するため、頭がスッキリとクリアになるのが特徴です。

また、マントラ(心身の調和を目的とした音節)やムドラ(印)、バンダ(エネルギーを内に留める身体の締め付け)を組み合わせることもあり、「最も総合的で、完成されたヨガ」と評価する指導者もいます。

クンダリーニヨガの注意点

クンダリーニヨガは、正しい手順を踏むことが大切です。まず、眠っている潜在エネルギーである、クンダリーニを覚醒させ、そのエネルギーを第1チャクラから第7チャクラまで上昇させていきますが、エネルギーがスムーズに上昇しないと熱を持ち、腹痛や発熱、脊柱の痛みなどの身体的不調が表れることがあります。

また、短時間で大量の酸素を取り込む「火の呼吸」に慣れるまでは、頭痛を感じることもあるため、初めてクンダリーニヨガにチャレンジする場合は、最大限良い効果を得るためにも、信頼できる指導者の元でレッスンを受けることをおすすめします。

クンダリーニヨガの効果やメリット

ヨガ

クンダリーニヨガは、精神的な変化が多いヨガですが、火の呼吸と組み合わせることで、身体的なメリットもたくさんあります。

マインドの変化

クンダリーニヨガにより、生命エネルギーが頭頂の第7チャクラに達すると、そのエネルギーは人体を突き抜け、不変で根源的な存在、宇宙エネルギーと一体化するといわれています。

この状態を、「クンダリーニ覚醒」と呼び、クンダリーニ覚醒の状態では、固定観念の内にある自分の限界を解き放ち、ストレスの元となる負の感情に対しても、悩む必要のないもの、執着する必要のないものがはっきりと分かります。自分に自信が付き、優先すべきものが決まるため、ネガティブな思考は消え去り、心に余裕ができるでしょう。

ホルモンバランスの改善

クンダリーニヨガは、7つのチャクラを意識して行いますが、のど元の第5チャクラを開くことを目的とした行法もあり、甲状腺の機能を正常化する効果があります。心臓・肝臓・脳などあらゆる臓器に関わる甲状腺ホルモンを分泌し、新陳代謝を活発にするのは甲状腺の役割です。

甲状腺が正常に機能しなければ、内臓の働きが鈍り、ホルモンの働きを制御する脳の下垂体も弱まるため、ホルモンバランスが崩れ、集中力散漫な状態になります。クンダリーニヨガでホルモンバランスを整えることで、安定して穏やかな精神と、内臓の正常な働きを保つ事ができるでしょう。

ダイエット効果

クンダリーニヨガで組み合わせることが多い「火の呼吸」は、リズミカルで力強い呼吸です。短時間で多くの酸素を体に取り込む火の呼吸と、シンプルな動きをリズミカルに組み合わせることで、身体的負担は少なく、ジョギングなどの有酸素運動と同等の効果を得ることができます。クンダリーニヨガを習慣化することで体脂肪が燃焼し、ダイエット効果が期待できます。

クンダリーニヨガはどんな人におすすめ?

ヨガ

クンダリーニヨガは、自分の殻を破り、解き放つことで精神的な変化を感じられるヨガです。落ち込んでいる時、前向きになりたい時、決断に悩み一歩が踏み出せない時には特におすすめです。また、内臓の働きを正常化することで、日常的な不調を改善することもできます。

  • ネガティブ思考の方
  • 自分に自信が欲しい方
  • 何か迷いがあり、一歩が踏み出せない方
  • 集中力をアップしたい方
  • 慢性的な下痢・便秘など内臓の働きが弱っている方
  • 肥満に悩んでいる方
  • ヨガを深めたい方

クンダリーニヨガのやり方

ヨガ

クンダリーニヨガでは、1つの目標を定め、その目標を達成するための行法を考案します。この行法は「クリヤー」と呼ばれ、定められた目標により、クリヤーの内容は様々です。今回は、カマルデヴ美樹先生の、10分間ミニクラスをご紹介します。

クンダリーニヨガでは、ヨガの正しいポーズを追求することはありません。呼吸のリズムを感じ、動きを合わせましょう。

カマルデヴ美樹先生の10分間ミニクラス

1. チューニング

マントラを3回唱えます。唱えるマントラは「Ong Namo Guru Dev Namo」、発音は「オン ナモ グル デヴ ナモ」です。安楽座など背筋が伸び、安定する体勢で座り、指導者と音を合わせて唱えましょう。身体の引き締め(バンダ)を行い、エネルギーが外に漏れださないようにロックします。特に、骨盤底筋(ムーラバンダ)と丹田(ウディアナバンダ)を、上に引き上げるように締める意識を持つと、エネルギーが効率的に体内を巡るようになります。

2. 背骨のストレッチ

背中を丸くする動きと、胸を張る動きを交互に行います。背骨を温め、椎骨のスペースを開き、中枢神経の流れをよくする効果があります。尾てい骨周辺の第1チャクラ眠るエネルギー、クンダリーニを目覚めさせ、頭頂の第7チャクラに向かって、上昇する際の経路を開くことが目的です。息を吸って背骨を反らせ、吐いて背中を丸くする動きを、リズミカルに行いましょう。

3. 背骨の回転

両手を膝に置き、息を吸って腰から回すように胸を前に出し、吐いて腰を回しながら胸を後ろに引き込みます。背骨の下の方、根本から丁寧に回す意識を持ちましょう。

4. 肩のエクササイズ

両腕を体側に下げ、息を吸って両肩を耳に近づけ、吐いて肩の力を抜き、ストンと下ろします。不安感がなければ目を閉じ、意識は眉間に置いておきます。

5. 首のエクササイズ

吸いながら左、吐きながら右に顔を向けます。首に負担がかからないように、スピードを上げすぎないことがポイント。呼吸は動きに合わせ、お腹から強く吐き切ることを意識しましょう。

6. 火の呼吸の練習

親指と人差指で輪を作り、残りの3本を伸ばしムドラ(印)を結び、両掌を上に向け膝に置きましょう。肩の力を抜き、目を閉じ眉間に集中した状態で、おなかから息を吐き切ることを意識しながら強く呼吸します。吸う息と吐く息の割合は1対1。呼吸のペースは苦しくならないように調整しましょう。慣れると1秒間に2、3回の呼吸ができるようになります。

まとめ

難しい動きはなく、精神的な解放感、幸福感が体験できるクンダリーニヨガ。手順を正しく踏むことで、宇宙と一体になる感覚、スピリチュアルな体験を通し一皮むけた自分に気付くことができます。クンダリーニヨガを習慣化することで、マインドを開き、ポジティブで健やかな人生を送りましょう。