心身ともにリラックス効果があるとされているヨガですが、実はピラティスもメンタルの安定に効果があります。ピラティスには自律神経を整え自己肯定感をあげる効果があり、鬱々としていたり、やる気が出なかったりする人に適しています。
そこで今回は、ピラティスが与えるメンタル向上の効果について紹介します。
ピラティスはメンタルの安定に効果がある?
ピラティスと似たエクササイズにヨガがあります。ヨガはストレス解消に効果があることで知られており、マインドフルネスヨガ、リラックスヨガなど、さまざまなヨガクラスが開催されています。
一方、ピラティスは筋肉を鍛えるなど、身体面にフォーカスしたエクササイズというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?ピラティスでは、体幹を鍛えることができますが、メンタルを安定させる、強くさせる効果があることもわかっています。
2か月半の間に1日1回以上ピラティスを実践した人にスカウター検査(メンタルを分析する適正検査)を行ったところ、ピラティスを行う前に比べ、13%メンタル耐性がUP。
出典:https://www.zenplace.co.jp
このように、ピラティスを行うことで、メンタル耐性をアップさせることができるのです。
ピラティスがメンタルを安定させる理由は?
運動面にフォーカスしたピラティスがなぜメンタルを安定させるのでしょうか?ここからは、その理由について詳しく紹介します。
呼吸法により自律神経が整うため
ピラティスは、ただ体を動かすだけではなく、呼吸に合わせてポーズを行います。ピラティスでは肋骨を意識した胸式呼吸を行いますが、この胸式呼吸では交感神経が優位になるため、頭や体がすっきりとし、活力に満ちたりやる気が出たりするという特徴があります。
「鬱々として、元気がなかった人も、ピラティスを終えるころには悩みがなくなった」というようなメンタル面での効果が得られるのがピラティスなのです。ちなみに、ヨガの腹式呼吸でもメンタルを安定させる効果がありますが、腹式呼吸では副交感神経が優位になるため、ざわざわとした気持ちを和らげたり、落ちついた気分にさせてくれたりなど、ピラティスとは反対の効果があります。
自己肯定感が向上するため
自己肯定感の向上も、ピラティスでメンタルが安定する理由のひとつです。メンタル面を向上させるためにピラティスをやってみたい!と思っている方は、落ち込みやすかったり、悩み事がありもやもやを抱えている人も多いでしょう。
例えばヨガは、レベルによっては出来ないポーズも多いため、ポーズが自分だけできなかったりすると、自分には向いていないのかも?とさらに落ち込んでしまう人もいるかもしれません。しかし、ピラティスはほぼすべての方ができるポーズばかりです。柔軟性よりも正しい姿勢にフォーカスするので難易度が低く、周りを気にせず自分のペースで取り組めるメリットがあります。
また、自分で設定したピラティスクラスを終えれば、しっかりピラティスをやりきったと自分を褒める気持ちが生まれ、自然と自己肯定感も上がります。忙しい日々の中、自分の体に目を向け、自分自身を慈しむことで、メンタルを安定に導くことができるのです。
姿勢矯正によりポジティブになるため
ピラティスでは、インナーマッスルを鍛えることにより、姿勢矯正ができる特徴があります。正しい姿勢を保てるようになると、猫背が治ったり胸がひらいたりするようになり、自然と意識も前向きになるでしょう。パソコンに向かってデスクワークをしていると、猫背になるなど姿勢が悪くなっており、それが原因で、腰痛や肩こりを引き起こすといわれています。
しかし、ピラティスを行い姿勢矯正されることで、長時間のオフィスワークにも耐えられる身体づくりができるようになり、日々前向きな気持ちで生活できるようになるのです。ピラティスを行うことにより、生活の質があがるのもメンタル向上の理由の一つといえるでしょう。
幸せホルモンが分泌されるため
ピラティスをすると、いわゆる「やる気スイッチ」が押されます。やる気スイッチを押すと、幸せホルモンといわれるセロトニンが分泌され、幸福感を感じられるようになります。今日はやる気がないからと、だらだらしていたものの、立ち上がった拍子に片付けを始めてしまい、結局家じゅうの片付けや掃除をしてしまったという経験はありませんか?
これは、立ち上がるというだけの行動でもセロトニンが分泌され、全くやる気がなかった気持ちに変化が現れたことによるものなのです。同じことがピラティスにもいえるため、ピラティスを継続して行うことで、モチベーション、幸せ度を上げることができるのです。
ピラティスでよりメンタルを安定させる方法は?
ここまでは、ピラティスがメンタルに与える影響や、メンタルを安定させる理由について紹介しました。ここからは、ピラティスでメンタルをよりしっかりと安定させるためのポイントについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ピラティスのクラスに集中する
せっかくメンタルの強化や安定を求めてピラティスクラスに参加したのに、集中できずに気が散ってしまっては意味がありません。ピラティスクラス中は自分自身に目を向けるように意識し、クラスにしっかり集中することが重要です。
ピラティスは、筋肉に働きかけるエクササイズですが、クラスの前後にはシャバーサナが設けられていることも多いので、雑念を捨て、頭の中をスッキリリフレッシュさせましょう。
時間に余裕をもってピラティスを行う
近年では、ジムやヨガスタジオなど、さまざまな場所でピラティスクラスが開催されています。ピラティスに参加するときは時間に余裕をもって参加するようにしましょう。
ピラティスはヨガと比べて負荷が高いため、クラスの前に息つく暇もないほどバタバタしていると、精神的にも肉体的にも疲れてしまい、前述のようにクラスに集中できなくなってしまいます。ピラティスマットやグッズ、ウェアなども準備しているか事前にしっかり確認し、少なくともクラス開始の10分前にはピラティスを行える環境を整えておきましょう。
人と比べない
メンタル向上効果を期待したいのであれば、人と比べず自分自身の成長を感じることが大切です。他の人と比べて自分の体型が劣っている、ホールドできないポーズがあるなど比べてしまうと、せっかくはじめたピラティスも苦痛になってしまいます。自分は自分、人は人と、比べないようにしてピラティスにフォーカスしましょう。
一般的にヨガは、人と人との繋がりやコミュニティを大事にする傾向がありますが、ピラティス愛好者は個人で行動し、自分自身の成長に目を向けている方が多いです。それでも、人と比べたり、気になってしまったりする人は、1対1のパーソナルレッスンを検討したり、人と会わずに行える自宅でのピラティスを検討するのもおすすめです。
まとめ
本記事では、ピラティスでメンタルを安定させる方法について紹介しました。ストレスが溜まっていたり、日々の疲れを癒したいという方にはリラックス効果の高いヨガがおすすめです。反対に、落ち込み気味で気分を明るくさせたい人や、なんとなくやる気が出ないという方には、ピラティスが向いています。
ピラティスを継続して行うと、筋力が鍛えられるだけではなくメンタル自体も強くすることができます。心身共に鍛えることができるピラティスにぜひチャレンジしてみてくださいね。
ヨガインストラクター。2015年友達に誘われてヨガを行ったことをきっかけに、ヨガの魅力に取りつかれ、毎日ヨガスタジオに通うように。インド人師匠の勧めで、メキシコで開催された2か月間にも及ぶヨガティーチャートレーニングに参加、2017年ビクラムヨガ講師の資格を取得。2018年バリ島にて、バレエヨガ・ピラティスの資格を取得。現在は同じくヨガ講師の夫、3人の子供たちとインドネシアバリ島在住。