股関節に効くヨガのトカゲのポーズ!効果とできないときの練習法を解説!

股関節まわりに感じる深いストレッチが心地よい、トカゲのポーズ。なれないうちは、その刺激や窮屈さに、苦手意識をもつ人も多いかもしれません。一方で、トカゲのポーズを深めることで得られる効果は、特に女性にとってうれしいものばかり。

今回は、そんなトカゲのポーズの効果とやり方、うまくできないときの練習方法を詳しく解説します。

ヨガのトカゲのポーズとは?

トカゲのポーズは、サンスクリット語で「ウッタンプリシュターサナ」、前腕を床についた状態で、足を前後に大きく開き、背中を伸ばすポーズです。ポーズの完成形がトカゲのように見えることから、日本ではトカゲのポーズ、英語ではLizard Poseと呼ばれています。

トカゲのポーズのやり方

まずは、トカゲのポーズのやり方をみていきましょう。

四つ這いをていねいにつくる

まずは、四つ這いをていねいにつくるところからスタートです。足のつま先を立て、ひざを股関節の真下、両手を肩の真下におきましょう。両手指は大きくひらき、人差し指どうしを平行にして、軽くわきをしめます。目線が下がりすぎないように、首の骨、頚椎まで神経をめぐらせ、背骨の自然なS字ラインを意識して。

ヨガポーズ

手・あしをセット

右あしを右手の外側につき、かかとをひざの真下においたら、足の裏でしっかりと床を押して体を安定させましょう。股関節まわりに痛みがなく、余裕があれば、前腕を床についてみて。刺激が強すぎる場合は、ムリをする必要はありません。慣れないうちは、ひじを伸ばしてもよいので、おだやかな呼吸がとおせるポジションを探しましょう。

ヨガポーズ

背中を伸ばして呼吸をとおす

手・あしの位置が決まったら、背中を伸ばし、目線を正面へむけて呼吸をとおします。ヨガの安定したアーサナ(ポーズ)とは、3分程度安定して維持できることが目安です。股関節まわりの深いストレッチを感じて、そこに呼吸を送りこむような意識で、集中しましょう。

ヨガポーズ

トカゲのポーズの効果

トカゲのポーズは股関節をやわらかくし、歪みを整える効果がたかいため、現在女性がかかえる、たくさんの悩みをやわらげてくれるポーズです。

骨盤をととのえる

トカゲのポーズは、骨盤をまわり筋肉を柔軟にして、歪みを整えてくれます。骨盤の歪みが整うと、内臓が本来の位置におさまるため、ポッコリおなかが改善され、血のめぐりもよくなります。

血のめぐりが良くなると、ひどい生理痛やPMSが緩和され、いつでも穏やかに過ごすことができるようになるでしょう。

冷え性改善

トカゲのポーズでは、骨盤まわりの血行がよくなるため、特に下半身の冷え解消に効果的です。運動不足や不規則な生活がかさなると、夏なのに手足が冷える、ということがおこります。

トカゲのポーズでは、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋、後ろあし側のお尻の筋肉がよくきたえられるため、習慣化することで、熱を作りやすい体質へと変化していくのです。

疲労・むくみの改善

トカゲのポーズを習慣化すると、体液の流れがよくなり、体のすみずみまで酸素や栄養が行きとどくようになるため、疲労回復にとても効果的です。また、血液やリンパ液がスムーズに巡ることで、体内の水分量が適切に調整されるようになり、むくみの改善も期待できます。

特に効果がでやすいのは、下半身、ふくらはぎや太ももです。トカゲのポーズは、女性らしい、美しいあしのラインへと整えてくれるポーズでもあるのです。

トカゲのポーズができないときは?

トカゲのポーズができない、というときに、多くの人が悩むポイントは主に3つです。どんなポーズもムリは禁物。痛みをがまんしてポーズをとっても、呼吸がとまり、筋肉がかたくなるため良い効果を得られません。がまんしてムリにポーズを深めるのではなく、なぜできないのか、その原因を理解して、安全にポーズを深めるための練習方法を、ひとつひとつ見ていきましょう。

肘がつかない

ひとつめは、お尻がしずまず肘がつかないパターン。多くの場合、前あし側のお尻の固さが、主な原因です。

トカゲのポーズに入る前に、スチランドラーサナ(針穴のポーズ)、スリーピングスワンなどでお尻の筋肉をよくストレッチすると、前あしの付け根をぐっと引き込むことができるようになり、肘が床につきやすくなります。

スチランドラーサナ(針穴のポーズ)

ヨガポーズ

スリーピングスワン

ヨガポーズ

背中が伸びない

背中が伸びない原因のひとつは、背中に意識が向いていない、ということが多くあります。背中が丸くなると呼吸が浅くなり、苦しいトカゲのポーズからは抜け出せません。肘を伸ばしても良いので、かかとから後頭部まで一直線になるように、背中を伸ばすことを優先させましょう。

こちらも、お尻のかたさが原因となっているケースが多いため、アーナンダ・バラーサナ(ハッピーベイビーのポーズ)などで、お尻をよくストレッチするのがおすすめです。

アーナンダ・バラーサナ(ハッピーベイビーのポーズ) 片足バージョン

ヨガポーズ

後ろあしが伸ばせない

後ろのあしがまっすぐ伸ばせない場合、上半身と下半身をつなぐ筋肉、腸腰筋がかたいことが、大きな原因のひとつです。腸腰筋をストレッチするためには、アンジャネアーサナ(三日月のポーズ)や、ハイランジのポーズがおすすめ。そり腰にならないように、尾骨をしっかりと床方向にむける意識をもつと、腸腰筋がよく伸ばされます。

また、後ろあしを伸ばすもうひとつのコツは、かかとをけり出し、頭頂は前方にひっぱり、かかとと頭頂で引っ張り合いっこをするような意識をもつことです。エロンゲーション(伸び)を意識することで、自然と背筋が伸び、あしを伸ばしやすくなります。

アンジャネアーサナ(三日月のポーズ)

ヨガポーズ

ハイランジ

ヨガポーズ

まとめ

股関節への刺激が強いため、なれないうちは苦手意識をもつ方も多い、トカゲのポーズ。お尻まわりや腸腰筋をよくストレッチし、正しいアライメント(骨と筋肉の位置)とエロンゲーション(伸び)を意識することで、安全に深めることが可能です。

トカゲのポーズで心地よさを感じるころには、骨盤のゆがみが整い、冷えやむくみに悩まない、元気な自分をとりもどすことができますよ。あきらめずに練習を重ねて、トカゲのポーズを自分のものにしましょう。