身体にいいイメージしかないヨガですが、実はいくつかのデメリットが存在します。無理をしすぎてケガをしたり、熱中症にも気を付ける必要があります。
今回はヨガのデメリットや、ホットヨガ、ダイエットにおけるデメリットについても紹介します。ぜひ参考にしてください。
ヨガにデメリットはある?
誰でもはじめられる気軽なエクササイズとして人気のヨガですが、ヨガを行ううえでのデメリットもあります。
- 無理なポーズをして身体を痛める
- 初期投資にお金がかかる場合もある
どちらのデメリットも、ヨガ初心者に考えられるデメリットです。ただ、ヨガを継続して行っていくうちにデメリットはいつしかメリットに変わります。
無理なポーズをして身体を痛める
人の目が気にならないオンラインクラスならまだしも、スタジオで複数の生徒とヨガを受けるとついつい頑張って無理なポーズをしてしまうことはありませんか?ヨガクラス中は、アドレナリンが出ているため、痛みを感じにくくなっています。そのため、自分の可動域以上のストレッチをしてしまうことも。一度、筋が伸びてしまうと元に戻すには時間がかかりますし、せっかくヨガをスタートしてもしばらくお休みしなければいけません。
特にヨガ初心者でやりがちなのが股関節のオーバーストレッチです。前後開脚のハヌマーンのポーズなどは、身体の重みが直結して股関節への負荷につながり、結果として、股関節のオーバーストレッチにつながります。脚を開いて踏み込むほとんどのポーズで股関節を軸にするため、股関節を痛めるとしばらくヨガは休むほかありません。
ストレッチをして痛めると、「自分にヨガは向いていない。自分の身体は硬いからヨガは無理」と思うかもしれませんが、上級者やヨガインストラクターは、ほぼ全員オーバーストレッチを経験しています。痛みを知り、徐々に身体の使い方を覚えていくので、一度痛めたからと諦めずに再挑戦するのが大切です。また、ヨガを行う際は、人と比べず、ブロックや補助器具を使いながら無理せず自分のできる範囲で行うようにしましょう。
初期投資にお金がかかる場合もある
インド古来のヨガは、本来「体一つでどこでも」できるもので、道場でヨガマットを使わず行うヨガも多くあります。しかしながら近年日本のヨガブームでは、スタイリッシュなスタジオが次々とオープンし、機能性の高いおしゃれなヨガウェアブランドも増え続けています。ヨガを始める際、気分を高めるためにもヨガウェアやヨガマット、ウォーターボトルを新調しようと考える人は多いでしょう。人気ヨガブランドでヨガアイテムを揃えるとなると、軽く2〜3万円はかかってしまいます。
長く使う事を考えれば高い投資にはなりませんが、すぐに飽きてしまう、とりあえずヨガをやってみたいだけという方には、デメリットとなってしまいます。ヨガをお試しでやってみたい方は、ヨガマットはスタジオのレンタルサービスを利用するか、オンラインクラスは自宅にあるラグでの代用も可能です。また、Amazonなどの通販では、手頃な価格で購入できるヨガスターターセットも販売しているので検討するのもいいでしょう。
ホットヨガのデメリット
温度・湿度が高いホットヨガでは発汗が促されますが、大量に汗をかくことによるデメリットもあります。
- 脱水・熱中症になる
- 身体が冷える
- 初心者にはややハード
このように、寒暖差からくる身体へのデメリットや、高温であるがゆえのハードさなどが挙げられます。ここに記載のデメリットも、こまめな水分補給や、暖かい服装を心がけることで改善しますし、初心者にはハードなホットヨガも次第に慣れてくる方が多いです。
脱水・熱中症になる
ホットヨガでは大量の汗をかきます。そのため最も気を付けなければいけないのが脱水による熱中症です。
- 頭痛
- めまい
- 極度の疲労感・脱力感
熱中症になるとこのような症状が現れます。ヨガ中に出る症状から、ヨガ後、しばらくしてから出る症状もあります。いずれにしても、熱中症を防ぐためにはこまめな水分補給しかありません。水だけでは吸収されないので、ひとつまみの塩と砂糖をいれると、より早く体内に水分がいきわたります。
また、頭の中に熱がこもって火照りがおさまらない感覚がある方は、首やわきの下、鼠径部などを冷やすのも効果的です。ちなみに、元祖ホットヨガのビクラムヨガでは、ヨガの最中にめまいが起きることは、普通で、むしろ好転反応とされています。めまいが起きても集中力を保つことで、精神力を強化するとともに、めまいが起きる原因である内耳の平衡機構を強くします。最初はホットヨガが辛かったけど、いまはめまいもなく慣れてきたという方には、このような理由があるのです。
身体が冷える
ホットヨガを行う方のお悩みの多くに、ヨガスタジオと更衣室の寒暖差があります。ホットヨガスタジオは、ヨガ後に効果的にクールダウンできるよう更衣室の温度が低めに設定されていることも。筆者もホットヨガ愛好家なのですが、寒がりの冷え性のため、汗だくでヨガを終えた後の冷房が効いた更衣室は、まるで地獄のように感じることもあります。
対策として、ヨガタオルとは別に一枚布の大きい更紗を用意して、スタジオから出る際に身体に巻き付けていますが、スタジオによっては余計なものの持ち込みを禁止しているので、事前に確認が必要です。汗で濡れたままの身体は急激に体温を奪いますので、以下のポイントをおさえて、しっかりと冷え対策を行いましょう。
- 極度の疲労感・脱力感
- ヨガ後にしっかり汗を拭く
- 暖かいシャワーをすぐに浴びる
- 出来るだけ早く着替える
- 髪の毛を乾かしたり、帽子を使って冷え防止
- 冬季はマフラーや手袋を活用する
初心者にはややハード
ヨガは初心者でも始められるエクササイズですが、今まで運動してなかった人からすると、たとえ常温ヨガでもハードです。さらに気温が高い中で行うホットヨガでは、呼吸がうまくできずに苦しくなってしまうこともあるでしょう。
ホットヨガ体験クラスは初心者向けに設定されているので、どなたでも参加できますが、常温ヨガよりも呼吸をコントロールしなければいけないのはまぎれもない事実。ホットヨガでは発汗によるデトックス効果や、身体を温めることにより柔軟性が高まる一方で、呼吸がしづらい・暑い中ポーズを取るのが大変というデメリットがあります。
はじめてヨガに挑戦する方は、まずは常温ヨガを試してみて、その後、ホットヨガ体験するのもいいでしょう。
ダイエットにおけるヨガのデメリット
ヨガをダイエット目的で行う方も多いでしょう。ダイエットにおけるヨガのデメリットは以下があります。
- 太ってしまう
- 効果が出るまで時間がかかる
とはいえ、どちらも自分次第で避けられるデメリットです。
太ってしまう
ヨガ直前に食事をしないのは、もはやヨガの必須セオリー。ねじりのポーズやうつ伏せのポーズで胃を圧迫するため、食事をしないのは正解です。そのかわり、ヨガ後についつい食べ過ぎている方も多いのではないでしょうか?
空腹でヨガを行った後には、身体がエネルギーをより吸収しようとしています。ビギナークラスの運動量はそこまで多くはありませんが、「ヨガをした=運動をした」つもりになってエネルギー消費以上の量を食べると太る原因にもなります。ダイエット目的でヨガを行っている場合には、食事にも気を付けることが大切です。炭水化物を極力減らし、野菜やタンパク質が多い食事を心がけるだけで、ダイエット効果を感じることができますよ。
効果が出るまで時間がかかる
ヨガの流派にもよりますが、一般的にヨガは筋力を鍛えることよりも、精神面の強化や柔軟性を高めることに重きを置いています。そのためダイエット目的の、ウエストを細くしたい、腕・脚痩せしたいという方には向いていません。
ボディラインを整え細くするには、身体の凝り固まった筋肉をほぐすのも有効であり、ストレッチメインのヨガを行うこともダイエットにつながります。しかしながら、一度や二度では効果は得られず、数か月、または年単位の長い期間で見る必要があります。
ダイエット目的でヨガを行いたいのであれば、運動量の高いパワーヨガ・ビクラムヨガ・アシュタンガヨガを選ぶとより早く効果が感じられます。
まとめ
今回はヨガのデメリットについて紹介しました。ヨガを行うこと自体にデメリットはありませんが、無理をして怪我をしたり、ヨガ後に食べ過ぎて太ったりと、自分の行動に伴うデメリットはあります。また、ホットヨガでは脱水による熱中症の危険もありますので、注意が必要です。
いずれにせよ、自己管理をしっかり行えばデメリットを感じることなくヨガを行うことができますので、是非今回の記事を参考にヨガを楽しんでくださいね。
ヨガインストラクター。2015年友達に誘われてヨガを行ったことをきっかけに、ヨガの魅力に取りつかれ、毎日ヨガスタジオに通うように。インド人師匠の勧めで、メキシコで開催された2か月間にも及ぶヨガティーチャートレーニングに参加、2017年ビクラムヨガ講師の資格を取得。2018年バリ島にて、バレエヨガ・ピラティスの資格を取得。現在は同じくヨガ講師の夫、3人の子供たちとインドネシアバリ島在住。