ヨガの逆転のポーズの効果とは?うまくできないときの練習法や、生理中の注意点も解説!

ヨガのポーズは大きく分けて6種類、前屈、後屈、側屈、回旋、バランス、そして「逆転のポーズ」です。なれないうちは苦しさを感じる方がおおいかもしれませんが、逆転のポーズは、こころとからだに良い効果をたくさんもたらしてくれます。

今回は、逆転のポーズの効果、うまくできないときの練習方法や、生理中の注意点をくわしく解説します。

ヨガの逆転のポーズとは?

ヨガ

逆転のポーズとは、頭を心臓よりも下にするポーズのことを指します。多くの方が最初に思い浮かべるのは、逆立ちかもしれませんね。

逆立ちなんてムリ!と思うかもしれませんが、心配はいりません。ヨガにはたくさんの逆転のポーズがあるため、初心者から上級者まで楽しむことができますよ。

逆転のポーズの効果

逆転のポーズでは、頭を心臓よりも下にすることで、普段体の下の方にとどまりやすい体液の循環がよくなります。からだのすみずみまで体液がスムーズに流れることで、こころとからだはみるみる元気になっていくのです。

疲労回復

逆転のポーズで最も感じやすいのは、疲労の回復です。とくに、激しい運動をしたわけでもないのに感じる体の重さや、慢性的なだるさは、体のところどころで酸素や栄養がたりていないことが主な原因です。

そんな疲れには、逆転のポーズで血行をうながし、からだの末端まで新鮮な酸素と栄養を運んであげましょう。

集中力UP

深い呼吸をとおしながら行うヨガの逆転のポーズは、脳にたっぷりと酸素を送ることができるため、集中力がアップします。昼間、仕事に集中すべきときにぼーっとしてしまい、あくびばかりでるときはありませんか?脳は全体の20%もの酸素を必要とするため、酸素がたりないと働きがわるくなり、集中力が低下します。

とくに、長時間の同じ姿勢、運動不足は、血のめぐりを悪くし、酸素の循環を鈍らせるのです。お仕事おわりや朝のヨガで、逆転のポーズを上手にとりいれるとで、脳が元気になり、翌日の業務効率がグッとアップするでしょう。

内臓が元気に!

逆転のポーズは、下がりやすい内臓の位置を本来の位置におさめ、胃や腸の働きをよくする効果があります。内臓の位置が整うと、ポッコリおなかが改善し、便秘・下痢などおなかのトラブルも軽減します。

数ある逆転のポーズのなかでも、特に、足を上げるポーズはその効果が大きく、セツバンダーサナ(橋のポーズ)やアド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬/ダウンドッグのポーズ)は、初心者でも取りくみやすく、おすすめです。

代表的な逆転のポーズ

ここで、ヨガの代表的な逆転のポーズを、難易度別にご紹介します。初心者の方もトライしやすいポーズもあるので、ムリなくチャレンジすることができますよ。

初めてのヨガにおすすめ!アド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)

初めのヨガでもチャレンジしやすい、アド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)。足のつま先をたてたよつんばいの状態から、両手をてのひら一枚分前にだします。雑巾がけをするようなイメージで、床をななめ前におしながら、お尻を高く持ちあげます。

ひざが曲がっても、かかとを浮かせても良いので、背中を伸ばすことを優先させ、深い呼吸をとおしましょう。
ヨガポーズ

少し慣れてきたころに!サーランバ・サルヴァンガーサナ(支えのある肩立ちのポーズ)

続いて、ヨガに慣れてきたころにおすすめの、サーランバ・サルヴァンガーサナ(支えのある肩立ちのポーズ)。ひざを立てた仰向けになり、背中全体を床に安定させます。ひざを胸にひきよせ、湯足先を頭の先へのばすとおしりが浮いてくるため、肩甲骨をよせ、肩の外側に体重をかけながら、両手を腰にそえましょう。

安定していたら、つま先を天井方向にのばし、呼吸をとおします。首を動かさないように、視線はおへそに集中させましょう。
ヨガポーズ

中級者以上におすすめ!シルシャーサナ(頭立ちのポーズ)

最後に、中級者以上の方におすすめの、シルシャーサナ(頭立ちのポーズ)。慣れないうちは首を痛めやすいため、最初はかならず専門知識を持ったインストラクターの指導を仰ぎましょう。

正座の状態から、両手を組み前腕を床につきます。組んだ手の内に頭を入れこむように頭頂部を床につき、お尻を高く持ちあげます。頭の上に骨盤がくるまでゆっくると両足を頭の方向に歩かせたら、重心を中心に集めるように移動させ、あしを浮かせてみて。安定していたら、一度大きく吸い、吐く息であしを天井方向に伸ばしましょう。

頚椎に負担がかかりやすい体勢であるため、途中で首を動かないように注意して。上腕三頭筋、ハムストリングス・殿筋のやわらかさも必要になるため、ゴムカサナ(牛面のポーズ)や、ジャーヌシルシャーサナ(片脚前屈のポーズ)などで体を十分ほぐしてからトライしましょう。

シルシャーサナ(頭立ちのポーズ)

ヨガポーズ

ゴムカーサナ(牛面のポーズ)

ヨガポーズ

ジャーヌシルシャーサナ(片脚前屈のポーズ)

ヨガポーズ

逆転のポーズがうまくできないときは?

逆転のポーズで、難易度があがるほど、ぐらぐらして安定しない、と悩んだことはありませんか?逆転のポーズは、筋力・柔軟性ともに必要なポーズが多いため、自分の体のコンディションを整えることが必要ですが、安定させるポイントはそれだけではありません。

ここで、何度練習しても逆転のポーズがうまくできない!という方のために、おさえておきたいコツを2つご紹介します。

正しいアライメントを意識

逆転のポーズを安定させるためには、正しいアライメント(骨・筋肉の位置)がとてもたいせつです。これは、ポーズに入る前の段階で、ていねいに土台をつくることで、確実に改善することができます。

アド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)であれば、まずは足とひざの間をこぶし1つ分にそろえ、あしの付け根の真下にひざを置くところからスタート。両手指を大きくひらき、人差し指同士が平行になるよう両手を肩の真下においたら、かるく脇をしめて。そこからてのひら1枚分、両手を前に出しましょう。ここまでの土台がしっかりできていたら、あとはおしりを高く持ち上げ、背中をのばして深い呼吸をとおすだけ。いつもよりもう一歩安定したアド・ムカ・シュヴァーナーサナを感じることができるでしょう。

体幹を起動させる

もうひとつのポイントは、一見関係なさそうにみえる胴体の筋肉、体幹を起動させることです。体幹を起動させるには、下腹を軽くひきしめる意識をもつこと。引きしめすぎると、首に力が入り、呼吸が浅くなってしまうため、注意が必要です。

体幹が起動すると、胴体に1本の芯がとおったような状態になり、床を押した力が上に伸びあがる力に変わるため、逆転のポーズが安定しやすくなります。

生理中は逆転のポーズをしてもいいの?

ヨガには体をあたため、生理痛を緩和する効果があるため、ムリをしなければ、生理中のヨガは効果的です。ただし、逆転のポーズは、経血を外に出す自然の流れを妨げてしまう体勢であるため、生理中にはおすすめしません。

生理中は、動きの少ないリラックス系のクラスを選んだり、逆転のポーズがでてきたときには、ムリせずにお休みしましょう。

まとめ

初心者から上級者まで楽しめるヨガの逆転のポーズ。うまくいかないときは、焦らずにやさしいポーズでコンディションをととのえ、ていねいに土台を作ってからチャレンジしてみましょう。練習を重ねるたびに増す安定を感じながら、こころとからだを整えましょう。