ヨガの鶴のポーズとは?やり方と効果、上手くできないときの練習法を解説!

アームバランスの代表的なポーズでもある、鶴のポーズ。難易度は高めですが、全身の引きしめと集中力アップなど、たくさんの良い効果が期待できます。一方で、手首に負担がかかりやすい体勢でもあり、ポイントを抑えておかなければ、ケガしてしまう可能性も。

今回は、鶴のポーズのやり方と、その効果、上手くできないときの練習方法を解説します。

ヨガの鶴のポーズとは?

鶴のポーズは、サンスクリット語で「バカーサナ」、バカ=鶴、という意味で、伸ばした両うでが鶴の足のように見えることが、名前の由来といわれています。うでのみで全身を支えるパワフルなポーズですが、手首に負担がかかりすぎないように、体全体の筋肉をバランスよく使う必要があります。

鶴のポーズのやり方

まずは、鶴のポーズに入るための、ステップをご紹介します。

土台をていねいにつくる

どんなポーズも、安全に深めるためには、土台を安定させることが必要です。鶴のポーズでは、両足をそろえたタダーサナ(山のポーズ)で立ち、上半身を前にたおして肩の真下に両手をつきます。ひじとひざを曲げながら、つま先立ちになり、ひざを脇の下にくっつけ、上腕にのせましょう。

ヨガポーズ

目線でバランスを保つ

少しずつ体重をうでに乗せていき、両かかとを更に上げ、目線を顔の真下から30cmほど前方に向けます。バランスが取れていたら、重心を前にスライドさせ、両手にしっかり体重をのせながら、両足の爪先で立ってみて。目線を更に前方に移し、ある一点を見つめながらバランスをとります。

ヨガポーズ

両手でしっかりと床をおす

重心をさらに前にスライドし、両足を床から浮かせ、かかととお尻を近づけます。余裕があれば、両手でしっかりと床を押し、ひじを伸ばしましょう。3呼吸キープしたら、下腹部を引きしめながら、ゆっくりとひじをゆるめ、足を床に下ろします。

ヨガポーズ

鶴のポーズの効果

鶴のポーズは、難易度の高いポーズのひとつですので、深めるためには練習が必要ですが、その分、得られる効果もたくさんあります。あせらず練習を重ねて、鶴のポーズで心と体を整えましょう。

全身のひきしめ効果

両うでのみで全身を支える鶴のポーズですが、使うのは、うでの筋肉だけではありません。ひざをしっかりと脇の下に引きよせる、お腹の奥の筋肉「腸腰筋」、肩甲骨からしっかりうでを前に出す「前鋸筋」、バランスを保つための体幹の筋肉など、体全体の筋肉をバランスよく使う必要があります。

鶴のポーズがキレイにとれなくても、練習を重ねるたびにそれらの筋肉がきたえられ、ポーズが安定するころには、ひとまわり引きしまった体の違いを感じることができるでしょう。

集中力UP

バランスのポーズは、交感神経を適切に優位にしてくれるため、集中力がアップします。鶴のポーズに慣れないうちは、バランスをとることに集中しすぎてしまい、呼吸を忘れてしまうことがあるかもしれません。

そんなときこそ、呼吸に集中。下腹をひきしめたまま、胸を使った深い呼吸を意識しましょう。吸う呼吸と吐く呼吸の長さを合わせ、そのリズムに意識を向けることでも、ポーズに集中することができます。

鶴のポーズが上手くできないときは?効果的な練習方法をご紹介!

アームバランスの入門ポーズでもある鶴のポーズですが、なかなか上手くできずに、モヤモヤしてしまったことはありませんか?ヨガのポーズ(アーサナ)は、快適で安定していることがとても大切です。

あせらずに、自分の体・心が安定するところから、徐々にステップアップしていけば、かならず上達しますので、あきらめずに練習を続けましょう。また、鶴のポーズを安定させるためには、いくつかポイントがあるため、次のポイントを抑えて練習すると、より効率的にポーズを深めることができます。

手首をストレッチ

アームバランスは、両手で全身を支えるため、手首を痛めやすい体勢でもあります。ポーズに入る前には、念入りに手首のストレッチをしておきましょう。よつんばいの姿勢で、両手の指先をひざの方に向け、てのひら側の手首を伸ばします。指先がひざの方まで回らない場合は、ムリせず回せる範囲でかまいません。

反対に、ストレッチが足りない場合は、お尻を小さく後ろに引き、バウンドを加えてみて。5呼吸ほどストレッチしたら、こんどは手の甲を床につけ、手の甲側を伸ばします。こちらも、痛い場合は、ムリは禁物。気持ちよく手首をストレッチして、鶴のポーズの準備を整えましょう。

背中をやわらかく

鶴のポーズでは、背中の柔軟性がとても重要です。太ももをお腹にギュッと引き寄せ、体をコンパクトにすることでバランスを保ちますが、背中が固いと太ももをお腹に寄せきることができません。

プラサリータ・パードッターナーサナ(ピラミッドのポーズ)、パスチモッターナーサナ(長座前屈のポーズ)など、背中をストレッチするポーズを取り入れることで、太ももをしっかりとお腹に引き寄せる準備が整います。

プラサリータ・パードッターナーサナ(ピラミッドのポーズ)

ヨガポーズ

パスチモッターナーサナ(長座前屈のポーズ)

ヨガポーズ

体を支える筋肉をきたえる

鶴のポーズで特にきたえたいのが、うでを前に押し出すための上腕三頭筋・前鋸筋と、太ももをお腹に引き寄せるための、腸腰筋です。クンバカーサナ(プランク)やチャトランガ・ダンダーサナを含んだ太陽礼拝でうで周りの筋肉を、ナヴァーサナ(船のポーズ)などで、腸腰筋をきたえましょう。

また、バランスをとるためには体幹をしっかり起動させることも必要です。ヴァシシュターサナで体幹を使い、バランスをとる感覚をつかみましょう。

クンバカーサナ(プランク)

ヨガポーズ

チャトランガ・ダンダーサナ

ヨガポーズ

ナヴァーサナ(船のポーズ)

ヨガポーズ

ヴァシシュターサナ(サイドプランク)

ヨガポーズ

まとめ

ヨガに慣れてきたころにトライしたい、アームバランスのポーズ。鶴のポーズは、アームバランス入門としては、とりくみやすいポーズのひとつでもあります。ただし、しっかりと手首をストレッチし、腕や脇腹、胴体の筋肉をきたえておかなければ、ケガにつながることも。

自分の体・呼吸をよく感じ、ムリのない範囲で練習をすることで、かならず上達させることができるため、焦らず練習を重ね、鶴のポーズを自分のものにしましょう。