太陽礼拝にも登場するヨガのプランクのポーズ。手足を軸に、体幹をつかって全身をささえる力強いポーズで、ヨガやピラティス、ボディメイクエクササイズなど、さまざまな場面で採用される人気のポーズです。
今回は、プランクのポーズを正しくキープするためのコツとその効果、プランクのポーズができないときの練習方法をご紹介します。
ヨガのプランクのポーズとは?
プランクのポーズは、サンスクリット語で「クンバカーサナ」、日本語では、「板のポーズ」とも呼ばれています。両手足で全身を支え、かかとから後頭部までをまっすぐに保ち、1枚の板のようにみえるのが特徴です。
ポーズを正しくキープするコツ
プランクポーズは、とても力強いポーズで、全身を鍛えることができますが、正しいアライメント(筋肉・骨の位置)を気にせずにポーズをとってしまうと、ケガにつながることも。次のポイントを意識して、安全にポーズをキープしましょう。
土台をしっかりつくる
どんなポーズも、土台が8割といわれているほど、ポーズに入る前の体のポジショニングは重要です。プランクのポーズでは、まずよつんばいの状態で、両手を肩の真下に置きます。手の指を開き、人差し指同士を平行にしたら、軽く脇をしめましょう。
ひじは伸ばしすぎないように1mmだけ遊びをもたせて。足とひざの間はこぶし1つ分、そのスペースをキープしたまま、片足ずつ足を後ろに引き、両手、両足で体を支えます。足を後ろに引いたときにも、肩の真下に手首があることを確認しましょう。
かかとから後頭部のラインを意識
プランクのポーズは、かかとから後頭部までが一枚の「板」のような、まっすぐな状態が理想的です。体幹をつかわないと、腰が反り、おなかが落ちてしまうので、下腹を1センチ引きしめる意識でキープします。
慣れないうちは、動画や写真、鏡でもよいので、真横から自分の姿をチェックして、かかと、おしり、後頭部を一直線に維持する練習を重ねましょう。
肩甲骨を意識して床をおす
プランクのポーズで体を安定させるコツは、両手、両足で床をしっかりと押すことです。特に、両手の押す力が弱いと、肩がすくみ、呼吸が通りにくくなってしまいます。腕がつらい、と感じるときは、腕に頼りすぎているかもしれません。
意識すべきは、肩甲骨です。肩甲骨を背中側のろっ骨に沿わせるように開き、両手で床を押すと、わき腹上部についている「前鋸筋」がよく働くため、腕の負担を減らしつつ、床を力強く押すことができます。
プランクのポーズの効果
次に、プランクのポーズでどんなよいことが起こるのかを見ていきましょう。
ウエストが引き締まる!
プランクのポーズは、体幹=胴体の筋肉がとてもよく鍛えられるため、習慣化することで、キュッと引きしまった理想的なウエストラインに近づくことができます。
初心者の方は、まずはゆっくりと5呼吸キープすることから始め、慣れてきたら10呼吸に、回数も1セットから2セット、3セットへと、無理のない範囲でステップアップしてみましょう。
チャトランガ・コブラまでつなげて、二の腕をシェイプアップ
プランクのポーズは、そのままキープしても身体の引きしめ効果がありますが、体を床に下ろす「チャトランガ」、その後、上体を持ち上げる「コブラのポーズ」(または、上向きの犬のポーズ)までつなげることで、二の腕のシェイプアップ効果が更にアップします。
二の腕の筋肉、上腕三頭筋は日常生活で鍛えにくく、たるみに悩む方も多いですよね。そんなときは、プランク→チャトランガ→コブラ→チャイルドポーズ、このシークエンスを練習してみましょう。二の腕が効率的に引き締まっていきますよ。
バランス力UP
プランクのポーズでよく鍛えられる体幹は、体のバランス力を保つのにとても重要な部分です。ヨガレッスンの片足立ちのポーズなどは、体幹を働かせることで、足で床を押した力が上に伸びあがる力に変わり、ポーズを安定させることができます。
バランスポーズに自信がない方は、プランクのポーズで体幹を鍛えることから始めてみましょう。キープできる時間が長くなるほど、バランス力の向上を感じることができますよ。
集中力UP
プランクのポーズで体を力強く使い、深い呼吸に集中することで、交感神経が優位な状態になり、集中力がアップします。自律神経が乱れやすい方にとって、交感神経は悪者のようなイメージがあるかもしれませんが、実は、危険回避行動や集中力を高めるのにとても重要な神経です。
深い呼吸を伴ったプランクのポーズでは、大きな筋肉が働き血行が促進され、体のすみずみまで酸素がめぐります。体が整った状態で交感神経が優位になることで、集中力が増し、気持ちよくやる気がアップするのです。
プランクのポーズができないときは?
プランクのポーズにはよい効果がたくさんありますが、お腹が下がる、首がすくむ、腕がいたい、など、うまくポーズがとれず、悩んだことはありませんか?そんなときは、やさしいバリエーションから練習することをおすすめします。
ひざつきプランクで練習
プランクのポーズで、いきなり両手足のみで全身を支えるのは、とても大変です。慣れないうちは、前腕・ひざをついて体重を分散させましょう。
ただし、体重の乗せ方は、両腕、両ひざ、両足に均等に。ひざばかりに体重が乗らないように注意しましょう。このときも、かかと、おしり、後頭部は一直線になるように、下腹を引きしめてポーズをキープします。
ひじつきプランクでステップアップ
慣れてきたら、ひじつきプランクにチャレンジです。肩の真下にひじをつき、両ひざは浮かせます。肩甲骨を意識しながら、前腕でしっかりと床を押して、かかとから後頭部を一直線に保ちましょう。
ひじを伸ばしたプランクで手首が痛くなってしまう方にも、おすすめのバリエーションです。
まとめ
プランクのポーズは心を整え、ボディメイクにも効果があり、初心者の方でも安全に取り組みやすいポーズです。やさしいバリエーションや、ポーズをキープするためのコツを抑えて、練習を重ねましょう。1日数分で十分です、2ヶ月繰り返すころには、違いを感じることができるでしょう。
東京都を中心に活動するIHTA認定ヨガインストラクター。会社員としての経験を持ち、自身の健康を意識することからヨガを始める。身体だけでなく、心も健康にするヨガの魅力を知り、この魅力を広く伝えたいという思いからヨガインストラクターに転身。マインドを明るくするような朝ヨガ・リフレッシュ効果の高いフロー感のあるヨガを得意とする。