年齢を問わず、誰でも気軽に参加できるラフターヨガ。笑うことで様々な良い効果が得られることは医学的にも証明されていて、その効果を効率的に引き出すラフターヨガは、最も簡単な健康法の1つです。
本記事では、ラフターヨガとは何か、その効果やメリット、どんな人におすすめか、ラフターヨガのやり方をご紹介します。
ラフターヨガとは?
ラフターヨガとは、その名の通り、笑うことを主な手法とするヨガです。ヨガのポーズはとらず、立ったまま、椅子に座った状態など、背筋が伸びる楽な姿勢をとり、おなかから笑います。ヨガマットも必要なく、スタジオに限らず屋外でできるのも特徴的です。年齢や、運動の得意不得意に関係なく参加できるため、エクササイズ要素の強いヨガは難しい、と感じる方にもおすすめです。
ラフターヨガの特徴
ラフターヨガは、ただ笑うだけではなく、笑いとヨガの呼吸、主に腹式呼吸を組み合わせるのが特徴です。深い腹式呼吸を使い、おなかから笑うことで、多くの新鮮な酸素を体に取り込むことができます。
ラフターヨガでは、笑いを意図的に作り出す「自発的な笑い」から誘導が始まり、レッスンが進むにつれて、意識しない自然な笑いへと変化していきます。
ラフターヨガのコツ
ラフターヨガでは「自然に笑わなければいけない」と構えすぎるのは逆効果です。ラフターヨガを開始し、すぐに自然に笑える人はほぼいないでしょう。「笑わなければ」と構えすぎていると、自然に笑えなかったときに自己否定の感情が発生し、ストレスになります。人の脳は、作り笑いと自然な笑いを区別することができないため、仮に自然な笑いに到達しなかったとしても、身体的な良い効果は十分に得ることができます。
また、講師の誘導に集中していれば、ゆっくりと自然な笑いに導かれるので、安心してください。「笑わなければいけない」ではなく、「自然に笑えたらいいな」という気持ちで、心の負担を減らし参加することが、ラフターヨガを楽しむコツです。
ラフターヨガの効果やメリット
ラフターヨガでは、笑うことと、ヨガの呼吸で多くの新鮮な酸素を体に取り込むことで、心と体にとって良い効果がたくさん得られます。
ストレス解消効果
ラフターヨガの一番のメリットは、ストレス解消効果です。腹式呼吸を使った15分間の笑いは、10分のウォーキングと同等の、約30kcalを消費するともいわれていて、このような有酸素運動で、ストレスホルモンの過剰分泌を、効果的に抑えることができます。
また、笑うことで分泌されるホルモン、幸福感をもたらすセロトニン、鎮痛効果のあるエンドルフィンは、作り笑いでも分泌されることが分かっています。ラフターヨガの入り口、自発的な笑いの段階でも、ストレス解消の効果を十分に得ることができるでしょう。
血行促進、疲労回復
ラフターヨガでは、主に内臓のコントロールを担う自律神経の1つ、リラックス時に優位となる副交感神経が優位な状態になります。副交感神経が優位になると、血管の緊張がゆるみ血行が促進され、腹式呼吸を使いながら笑うことで、血中の酸素濃度が高まり、身体の隅々まで新鮮な酸素が行き渡ります。
疲労感の原因の1つは、各細胞に十分に酸素や栄養が行き渡らないことです。酸素を十分に含んだ血が体中をめぐることで、疲労回復の効果が期待できます。
脳の働きを活性化する
脳は、人の体の中で一番酸素を消費する器官で、全体の20%程度の酸素を必要とします。日々忙しい現代人は無意識下で呼吸が浅くなりやすく、気付かないうちに脳が酸素不足に陥っていることがあり、脳が酸素不足になると、疲れを感じやすく、集中力もなくなります。
ラフターヨガの腹式呼吸で、たっぷりと脳に酸素が行き渡ることで、頭がすっきりとし、やるべきことに集中できるでしょう。
免疫力の向上
笑うことで、身体に侵入したウイルスなどに対抗する免疫細胞、NK細胞が活性化し、免疫力が向上します。人が笑うと、免疫の制御を担う器官、間脳が刺激され、NK細胞を活性化する物質、神経ペプチドを作り出します。
神経ペプチドにより活性化されたNK細胞が、血管やリンパ管を通り体中に巡ることで、がん細胞やウイルスに対し強い身体を作れることも、ラフターヨガのメリットの1つです。
ラフターヨガはどんな人におすすめ?
ラフターヨガは場所を選ばす、難しいポーズもとらないため、老若男女だれでもできるヨガです。精神的に疲れを感じているときはもちろん、身体がだるい、風邪をひきやすい、という方にもおすすめです。
- エクササイズ要素の強いヨガが苦手な方
- ストレスを解消したい方
- 疲れを感じている方
- 脳の働きを活性化したい方
- 風邪をひきやすい方
ラフターヨガのやり方
ラフターヨガの基本的なやり方は、①笑顔をつくる②深い腹式呼吸を使い、声を出して笑う③15分以上笑う、の3つです。15分以上笑うことで、有酸素運動と同じ効果が得られるため、自分で行うときは時間も意識しましょう。
笑いと腹式呼吸の練習
まずは、手をたたいたり、「ホッホ、ハハハ」と声を出したりしながら笑う練習です。しっかりと口角を上げ、声を出して笑うことを意識しましょう。次に腹式呼吸です。腹式呼吸の練習では、下腹部に手を当てて、吐く息でお腹がへこみ、吸う息で優しくおなかが膨らむのを感じましょう。リラックスして、息を吐き切ることを意識します。
ヨガの呼吸と笑いを合わせる
練習した腹式呼吸を使い、大きく鼻から吸って、吐くときに「ハハハハハ」と声を出して笑います。この時に、笑いながら息を最後まで吐き切りましょう。この段階までは、自然な笑いではなくてもOKです。ここまででも、様々なホルモンが分泌され、ストレス解消、免疫力向上など良い効果を得ることができます。
自発的な笑いから自然な笑いに導く
ここからは応用編で、自発的な笑いから自然な笑いに導きます。ラフターヨガの講師によりそのやり方は様々で、参加者同士でアイコンタクトをしたり、簡単な動きをつけたりすることもあります。意識的に自然な笑いにするのではなく、笑っていること自体が面白くなり、無意識のうちに自然な笑いに変わっていくため、遊んでいるような、リラックスした気持ちで楽しみましょう。
まとめ
ラフターヨガは、1995年にインドの医師、マダン・カタリア氏によって確立され、現在100カ国以上に普及しています。笑う時間が減り、幸せを感じることが少なくなっている、忙しい時代だからこそ、ラフターヨガが多くの人に求められているのかもしれません。
何歳からでも始められる健康習慣、ラフターヨガを習慣化して、心身共に健やかな人生を送りましょう。
東京都を中心に活動するIHTA認定ヨガインストラクター。会社員としての経験を持ち、自身の健康を意識することからヨガを始める。身体だけでなく、心も健康にするヨガの魅力を知り、この魅力を広く伝えたいという思いからヨガインストラクターに転身。マインドを明るくするような朝ヨガ・リフレッシュ効果の高いフロー感のあるヨガを得意とする。