陰ヨガとは?効果や特徴、代表的なポーズも紹介【初心者必見!】

陰ヨガは、日々忙しい私たちに一番必要な、「穏やかで心地の良い時間」を提供してくれる、優しいヨガです。難しいポーズはなく、自分の状態に合わせてゆっくりとポーズをとるため、誰でも安心してレッスンを受けることができます。

この記事では、陰ヨガとは何か、陰ヨガの効果やメリット、どんな人におすすめか、陰ヨガの代表的なポーズをご紹介します。

陰ヨガとは?

ヨガ

陰ヨガは、東洋医学における経絡・鍼療法、伝統的なインドのヨガと、シヴァ神妃の性力を崇拝する聖典群タントラの思想を統合した、近代ヨガの1つです。

動的なエネルギーを「陽」、静的なエネルギーを「陰」ととらえ、陰と陽のバランスを整える事を目的としています。日々忙しい現代人は、動的な「陽」のエネルギーに偏りがちなため、陰ヨガで「陰」のエネルギーを補充することで、心と身体のバランスを整えることができます。

陰ヨガの起源

1970年代後半、アメリカの武闘家であり、ヨガ指導者のポーリー・ジング氏によって、陰ヨガの基礎が作られました。1990年代には、ボディメイクを目的とするパワーヨガがアメリカで大流行しますが、同時にパワーヨガとは対照的な、心身のケアを目的とした陰ヨガが注目を集めます。

2000年代に入り、目まぐるしく変化する情報社会の中で、安らぎの時間を求める需要が高まり、現在、世界中で多くの指導者が陰ヨガを指導しています。

陰ヨガの特徴

陰ヨガの特徴は、1つのポーズを3分から5分間、ゆっくりとホールドすることです。ポーズを長時間ホールドすることで、筋肉よりも深い部分にある結合組織、筋膜・腱・靭帯などに働きかけ、身体全体の柔軟性を高めます。

関節周りの組織が柔らかくなり、可動域が広がるため怪我をしにくい身体となり、全身の血行が促され、冷え性・不眠などの不調も改善します。

陰ヨガのコツ

陰ヨガでは、1つ1つのポーズを、自分に合わせて丁寧にとることで、その効果を最大限得ることができます。焦らずに、深い腹式呼吸で心を静め、余分な力を抜きましょう。じわじわとストレッチが馴染む感覚、体の深層部の変化を感じてください。

外に向きやすい意識を自分の内側に保ち、集中することは瞑想の基本です。呼吸と共に心地よい感覚に集中することで、副交感神経が優位になり、頭の芯から深いリラックスを体感することができます。陰ヨガが終わった後には、身体だけでなく、心もスッキリと軽く感じるでしょう。

陰ヨガの効果やメリット

ヨガ

陰ヨガの最大のメリットは、せわしなく動き回る心と身体を静かな状態に保つことで、バランスが整うことです。静止している時間が長いため、最初は「物足りない」「本当に効果があるのか」と心配になるかもしれません。ですが、日々忙しい私たちに本当に必要なのは、何もしない、手放す時間です。陰ヨガで、余分な力と思考を手放すことで、様々な良い効果が生まれます。

睡眠の質改善・疲労回復

陰ヨガは、心と身体を深いリラックス状態に導くため、睡眠の質を改善し、疲労回復を促す効果があります。疲労回復に最も重要な要素の一つは、質の良い睡眠です。人は眠っている間に筋肉や脳を休息させますが、日中のストレスにより緊張状態が続くと、寝つきが悪くなり、眠りも浅くなります。

陰ヨガで心をリセットし、丁寧なストレッチで体の深部から血行を促し、脳・内臓の深部体温を手足から放出しやすくすることで、人間の身体は深い眠りに入る準備が整います。

ストレス解消

自分の心と身体の状態、その変化に集中する陰ヨガには、ストレス解消効果があります。ストレスとは、外部から受けた刺激により緊張状態となることで、その状態は、過去の記憶と未来の不安から生じることが多くあります。つまり、「今の自分」に集中している間は、ストレスの元となる考えから、解放される時間となるのです。

何か考えが浮かんでも、その考えには付き合わず、ただ「今」に集中する時間は、穏やかで安定した、ストレスのない時間となります。また、「今」に集中する癖をつけることで、今本当に優先すべきことを見極める力が付き、過去の記憶・未来の不安に惑わされない精神力を鍛えることができます。

生理痛の緩和

陰ヨガは下半身の関節周りにアプローチするポーズが多く、骨盤周りを柔らかくし、月経血の排出をスムーズにするため、子宮の過度な収縮を防ぎ、生理痛を緩和する効果があります。

また、動きが穏やかで、生理中でも無理なくレッスンに参加できるのも魅力です。注意点として、陰ヨガ自体は動きの少ないヨガのため、外的要因で体を冷やし、生理痛を悪化させないような工夫が必要です。冬の常温ヨガなどでは、身体を冷やさないように温かい服装を心がけましょう。

陰ヨガはどんな人におすすめ?

ヨガ

陰ヨガには難しいポーズはなく、自分の状態に合わせ、時にはヨガプロップス*を活用してゆっくりと動くため、身体の硬さや年齢を問わず、だれでも楽しめます。

*ヨガプロップス:ヨガベルトやブロック、クッションなど、ヨガのポーズを正しくとるための補助具

  • ヨガ初心者の方
  • 身体の硬い方
  • 運動が苦手な方
  • 仕事・育児・家事などで日々忙しさを感じている方
  • 不眠で悩んでいる方
  • ストレスを解消したい方
  • 生理痛が重い方

陰ヨガの代表的なポーズ

ヨガ

では、陰ヨガの代表的なポーズをご紹介します。陰ヨガでは、どのポーズでもできるだけ余分な力を抜いて、リラックスすることが大切です。

バッタコナーサナ|がっせきのポーズ

ヨガポーズ
左右の座骨を均等に床に置き骨盤を立て、足裏同士を合わせて座ります。両手で足を包むように握り、上半身を前に倒しましょう。股関節の柔軟性を高めるのに効果的なポーズです。

ジャーヌシルシャーサナ|片脚前屈のポーズ

ヨガポーズ
長座に座り、片脚をお腹に引き寄せます。一度骨盤を立て背筋を伸ばし、伸ばしている足の太ももにお腹を近づけるように前屈します。背中が丸まる場合は、伸ばしている膝を曲げ、骨盤を立てることを優先しましょう。リラックス効果が高く、就寝前にもおすすめなポーズです。

マツヤーサナ|魚のポーズ

ヨガポーズ
膝を立てた状態で仰向けに寝ます。両肘で床を押し、胸を高く持ち上げ頭頂を床につきます。余裕があれば足を伸ばし、かかとをけりだしましょう。胸が開き、首回りのコリが解消されるため、呼吸が通りやすくなります。

まとめ

陰ヨガとは、普段緊張しがちな心と身体をリラックス状態に導き、バランスを保つヨガです。身体的な動き「陽」のエネルギー要素の強い、パワーヨガやアシュタンガヨガと組み合わせ、「陰」のエネルギーを補充する陰ヨガを習慣化することで、安定した精神状態と、健やかな身体の両方を手に入れることができます。

陰ヨガは初心者の方でも、安心して参加できる内容のため、初めてのヨガとしてもおすすめです。