ヨガのバンダとは、身体のそれぞれの箇所を締め、ヨガエネルギーをコントロールするテクニックです。バンダができるようになるとより上級のヨガを楽しめるようになります。
そこで今回は、ヨガのバンダについて紹介します。各部位のバンダの特徴や練習法も紹介しているので、是非参考にしてください。
ヨガのバンダとは?
ヨガのバンダとはサンスクリットで締める・縛る・ロックするということを指します。ヨガクラス中に「バンダを意識して〜」「バンダを行いながら〜」などの指示を聞いたことがあるかもしれません。
バンダというと、「お腹を凹ませホールドすること」と思っている方もいるかもしれませんが、そうではなく、身体の内部に目を向けてエネルギーをの流れをコントロールすることを指します。ポーズ中にお腹のバンダを行ったり、喉、お腹、会陰部の3箇所同時にバンダ(トリバンダ)を行いプラーナ(生命エネルギー)を整えるなど、バンダをヨガ中に行うことで、より深いヨガプラクティスが行えるようになります。ここでは、代表的な5つのバンダを紹介します。
ジャーランダラバンダ(喉)
喉のバンダを行う際は、安楽座や蓮華座など、あぐらの状態で座り、下を向くようにあごを引いて気道が狭くなるようなイメージで呼吸をします。身体から出るプラーナを体内にセーブする効果があり、自律神経を整えます。
ウディヤナバンダ(お腹)
お腹のバンダが一番行いやすく、初心者でも挑戦しやすいバンダです。横隔膜を引き上げるイメージで行い、腹筋(おへその下の丹田のあたり)をロックします。ポーズの最中にお腹のバンダを行うとブレが減り、より安定的なポーズが取れるようになります。
ムーラバンダ(肛門・会陰部)
肛門・会陰部のバンダは、お腹のバンダと同時に行うことも多くあります。深呼吸をしながらムーラバンダを行うことで、骨盤底筋を鍛えられるので、産後の尿漏れや、生理痛緩和にも効果があります。
ハスタバンダ(手のひら)
手のひらのハスタバンダは下を向いた犬のポーズや、杖のポーズなどの太陽礼拝で意識すると効果があります。腕の力だけ使いがちなポーズも、しっかりと手のひらでバンダを行い、床を押します。
結果として、内面から出るバンダの力でヨガマットを押せるようになり、肩の緊張がほぐれます。
ヨガポーズによる疲労、筋肉痛が軽減されます。
パータバンダ(足裏)
足の裏のバンダはヨガマットを踏みしめ、体の中心軸をしっかりと保つために用います。例えば山のポーズでは、ただ立つのではなくパータバンダを行うことで、ヨガマットを足裏で押し返し、まさに自分の力でしっかりと立つことができるのです。
ヨガのバンダの効果
ヨガでバンダを行い、締めたい部分やロックしたい部分を自在にコントロールできるようになると、インナーマッスルが鍛えられ、ポーズ中のブレが少なくなります。また、呼吸と同時にバンダを意識することが多いので、自分の内面によりフォーカスできるようになり、集中力が高まる効果があります。ヨガのバンダができるようになると、以下の効果があります。
- プラーナの循環コントロール
- ヨガへの集中力が上がる
- ポーズが安定する・力まなくてもポーズができるようになる
- 内臓機能が高まる
- 自律神経が整い活力が生まれる
- インナーマッスルが鍛えられる
- 骨盤底筋が鍛えられ膣・肛門が締まる
- 生理痛・婦人病の緩和
ヨガの代表的なバンダと練習法
ヨガの代表的なバンダは前述した5つのバンダです。
- ジャーランダラバンダ(喉)
- ウディヤナバンダ(お腹)
- ムーラバンダ(肛門・会陰部)
- ハスタバンダ(手のひら)
- パータバンダ(足裏)
バンダは各箇所をギュっと締めるイメージで行いますが、強度の高いヨガではポーズをホールドすることに気を取られバンダが行えていないことが多くあります。そのため、まずはバンダがきちんとできているか確認するため、シンプルなポーズでバンダの練習を行いましょう。
山のポーズ
〇バンダを行う箇所|ウディヤナバンダ(お腹)・ムーラバンダ(肛門・会陰部)・パータバンダ(足裏)
山のポーズはシンプルでありながらも最も難しいポーズとも言われています。その理由にはバンダが深く関わっています。お腹を締め、肛門を締めて頭のてっぺんに引き上げるイメージで立ち、足裏で床を押し返すように立ちます。
この3箇所のバンダがしっかりと行えていると、何時間立っていても疲れないといわれています。反対に山のポーズでバンダができていないと、反り腰になったり姿勢が悪くなったりし、腰痛や不調の原因になることも。そのくらいバンダは重要な要素なのです。
杖のポーズ
〇バンダを行う箇所│ジャーランダラバンダ(喉)・ウディヤナバンダ(お腹)・ムーラバンダ(肛門・会陰部)・ハスタバンダ(手のひら)
アシュタンガヨガで、バンダを強化するために行うポーズに杖のポーズがあります。杖のポーズは一見するとヨガマットの上に膝を伸ばして座っているだけのように見えますが、バンダが非常に重要なポーズです。
あごを引きながら、自分のおへそを見て気道を締めます。横隔膜を引き上げ、肩が上がらないように両手のひらで床を押します。両手のひらが床に届かない方はお尻の両側にブロックを置き、ブロックの上に手のひらを乗せます。上級者になるとバンダを行いながら両手のひらで床を押して、両足とお尻が浮くようになります。
屍のポーズ
〇バンダを行う箇所│ウディヤナバンダ(お腹)・ムーラバンダ(肛門・会陰部)
仰向けで寝る屍のポーズで行うバンダは、就寝前にも行えるのでバンダの感覚をつかみたい方や、初心者にも最適の練習法です。自分の鼻先を見つめるか、目を閉じて、横隔膜を引き上げながら鼻からゆっくり息を吸い込みます。
その際、肛門、会陰部も締めるイメージで行います。お腹と肛門・会陰部を締めたままの状態で細く長く深く息を吐き出します。この練習では呼吸に焦点を充てることにもなるので、精神力が強化・安定する効果もあります。
まとめ
今回はヨガのバンダについて紹介しました。習得するのが難しく思えるバンダですが、バンダが行えるようになると、ポーズが安定したり、集中力が増したりなど、よりレベルアップしたヨガを楽しめます。
バンダを意識することは自分の内面に目を向け、自分を慈しむことにもつながる奥の深いヨガテクニックです。是非ヨガの練習に取り入れてみてくださいね。
ヨガインストラクター。2015年友達に誘われてヨガを行ったことをきっかけに、ヨガの魅力に取りつかれ、毎日ヨガスタジオに通うように。インド人師匠の勧めで、メキシコで開催された2か月間にも及ぶヨガティーチャートレーニングに参加、2017年ビクラムヨガ講師の資格を取得。2018年バリ島にて、バレエヨガ・ピラティスの資格を取得。現在は同じくヨガ講師の夫、3人の子供たちとインドネシアバリ島在住。