疲労回復におすすめのヨガポーズ5選|ヨガが効果的な理由も解説!

慢性的に感じる疲労感。29歳から79歳の日本人10万人を対象とした、2021年の健康調査では、約80%の人が疲れを感じると回答しています。多くの人が悩む疲労ですが、そんな人におすすめなのが、ヨガです。

本記事では、疲労が取れない原因、ヨガが疲労回復に効果的な理由、疲労回復におすすめのヨガポーズを5つご紹介します。

疲労が取れない原因とは?

ヨガ

疲労が取れない原因は、疲れてしまった脳や筋肉を、十分に回復できないことにあります。最初は、「昼間なのにぼうっとする」、「いつもより動きが重い」という小さな違和感ですが、放置すると、この小さな疲労が積み重なり、なかなか解消されない慢性的な疲労感につながるのです。

脳の疲労が取れない

脳の疲労を回復するための最も効果的な方法は、質の良い睡眠ですが、厚生労働省が行った、20歳以上の日本人約2万5千人を対象とした調査によると、約20%が「睡眠で十分に休養できていない」と回答しています。

睡眠を妨げる原因には、日中の強すぎるストレスや、夜間のスマートフォン操作など多岐にわたりますが、自分を上手にコントロールし、睡眠の前にリラックス状態に導くことが、質の良い睡眠をとるポイントになります。

身体の疲労が取れない

身体に疲労を感じると、歩くことも億劫になり、家でだらけてしまいたくなりますが、これが疲労を増す原因にもなるため、注意が必要です。

激しい運動など、積極的に身体を動かしたことによる疲労は、安静にすることで回復に繋がりますが、身体を動かしていないのに感じる疲労は、血行不良による細胞の酸素・栄養不足が原因である場合があります。疲れているからといって身体を動かさずにいると、筋肉が硬くなり、更に血行が悪くなるため、疲労は蓄積していきます。

疲れやすい自律神経

人は、強いストレスを感じると、内臓の制御、体温の調整など生命維持に不可欠な機能をもつ、自律神経のバランスを崩します。

忙しい現代人は、自律神経の1つ、交感神経が優位になりやすい傾向にありますが、交感神経が優位になり過ぎると、脳と筋肉は常に緊張状態となり、リラックスすることができないため、疲れがたまりやすくなります。

ヨガは疲労回復に効果的?

ヨガ

ヨガは、「質の良い睡眠の不足」「血行不良」「自律神経のアンバランス」を原因とする疲労回復策として、とても効果的な手段です。

吐く呼吸を意識したヨガで、睡眠の質をアップ

吐く呼吸を意識し、ゆったりと行うヨガは、心身をリラックさせ、質の良い睡眠へと導く効果があります。実は、呼吸は自律神経を意識的にコントロールすることができる貴重な手段であり、吐く呼吸を丁寧に行うことで、副交感神経を優位な状態に導くことができます。

副交感神経が優位になると、筋肉の緊張が緩み、心拍が下がり、血行が促進されるため、心身がリラックスモードに切り替わるのです。寝る前に10分だけ時間をとり、深く吐く呼吸を意識しながら、気持ちのよいポーズをゆっくりととってみましょう。質の良い睡眠がとれるようになると、夜のうちに脳と筋肉が休養できるため、翌日に疲労を残さず、しっかりと回復することができます。

柔軟性&筋力UPで血行促進

ヨガを継続すると、柔軟性・筋力がアップすることで、血行が促進され、血液が身体の隅々まで新鮮な酸素と栄養を巡らせることができるため、疲労感が改善します。ヨガの様々なポーズ(アーサナ)は、日常生活で鍛えにくい筋肉を鍛え、硬くなりやすい筋肉を柔らかくする効果があるのです。

筋肉の硬さが改善すると、血管が圧迫されなくなり、筋肉量が増えると、血液を心臓に送り返す「筋ポンプ作用」が活性化します。その相乗効果により血行がよくなることで、疲労回復だけでなく、肩こり、冷え性の改善などの、様々な効果が期待できます。

ポーズと呼吸で自律神経のバランスを整える

ヨガには様々なポーズ(アーサナ)と呼吸法(プラーナヤーマ)があり、その2つを上手に組み合わせることで、自律神経のバランスを、効果的に整えることができます。自律神経は、身体を活性化する交感神経と、リラックスさせる副交感神経で成り立っていて、生活のリズムと自律神経のリズムが合致することで、日中は活発的に、夜はリラックスすることができるのです。

忙しい現代人は、このリズムがズレやすく、心と身体に無理が生じることで、疲労感が生まれます。ヨガを上手に取り入れ、例えば朝は交感神経にスイッチを入れる呼吸法と、力強いポーズをチョイスし集中力を高め、夜はストレッチ性の高いポーズと、副交感神経を優位にする呼吸法を使うことで、自律神経のバランスを整え、疲れにくい体質を手に入れることができます。

疲労回復におすすめのヨガポーズ

では、疲労回復におすすめのポーズを5つご紹介します。

パスチモッターナサナ(長座前屈のポーズ)

ヨガポーズ
長座に座り、骨盤を立てます。膝は曲げても良いので、両つま先を天井方向に向けましょう。吐く息でお腹を太ももに近づけるように前屈し、ゆっくりと呼吸します。肩の力を抜き、自分の呼吸音、心臓の音に集中し、2分程度キープしましょう。リラックス効果が高く、寝る前におすすめのポーズです。

ジャタラパリバルターナーサナ(ワニのポーズ)

ヨガポーズ
仰向けの状態から、右膝を胸に引き寄せ、左手を右膝に添えたまま左に倒します。右手は肩の高さで開き、目線は右手指先へ。ゆっくり1分程度キープして、反対側も同じように行いましょう。ベッドの上でもできる、リラックスポーズです。

パリヴリッタバラーサナ(猫のねじりのポーズ)

ヨガポーズ
四つ這いから、右手をひっくり返し、左の脇の下を通して遠くに伸ばします。右の肩とこめかみは床に預け、余裕があれば、左手を天井方向、鎖骨の延長線上に開きます。ゆっくり5呼吸キープして、四つ這いに戻ったら、反対側も同じように行いましょう。肩周りの血行が促進されるため、疲労回復だけでなく、肩こりにも効果的なポーズです。

アドムカ・シュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)

ヨガポーズ
四つ這いから両つま先を立て、お尻をかかとに沈めます。両手は肩幅のまま前方に伸ばし、上体を沈めましょう。吸う息と共に、両手足で床を押しお尻を高く持ち上げて。二の腕は耳の横、目線は両足の間に置きます。膝を曲げ、かかとを上げても良いので、背中を伸ばしましょう。全身の血行が促進されるため、疲労回復、冷え性に効果的なポーズです。

マジャラーアーサナ(キャット&カウ)

ヨガポーズ
四つ這いから、吐く息で尾骨の方から背骨を丸くしていきます。息を吐き切る際に、おへそを天井方向に突き上げるように、両手両足でしっかりとマットを押しましょう。目線は膝の間。吸う呼吸で、尾骨の方から背骨を反らせ、吸い切るころに正面を見て。自律神経が通る脊柱周りの筋肉をマッサージし、深い呼吸を通すことで、自律神経のバランスを整えます。

まとめ

慢性的な疲労の回復にとても効果的なヨガ。夜寝る前に10分だけ時間を割き、好きなポーズを気持ち良くとるだけでも身体は変わっていきます。上手にヨガを取り入れて、疲労感に負けない、健やかな時間を過ごしましょう。