人間の五感の中で唯一、ダイレクトで脳に働きかける嗅覚の仕組みを上手に使い、気分をリフレッシュさせ、深いリラックスややる気をもたらしてくれる、アロマヨガ。
本記事では、アロマヨガとは何か、その効果やメリット、どんな人におすすめか、アロマヨガのやり方をご紹介します。
アロマヨガとは?
アロマヨガとは、植物から抽出した自然の香り成分(エッセンシャルオイル)を、嗅覚を通し身体に取り入れる健康法、アロマセラピーと、身体的な動きのあるヨガを組み合わせた、レッスンのことを指します。アロマセラピーとヨガはとても相性が良く、組み合わせることで、美容と健康に良い効果がたくさん生まれます。
アロマヨガの特徴
アロマヨガでは、香りを楽しむことで、自然と深い鼻呼吸に導かれるのが特徴です。アロマセラピーに使われるエッセンシャルオイルには、リラックスをさせてくれるもの、集中力を高めるもの、胃腸の調子を整えてくれるものなど様々な効果があります。
心地よい香りの中で自然と呼吸が深まり、その呼吸が筋肉の緊張をほぐし、ヨガのポーズを深めてくれます。ヨガで大切なのは、安定して快適な深い呼吸です。自然と深い呼吸に導かれるアロマヨガは、ヨガに慣れない初心者の方にもおすすめです。
アロマヨガの注意点
アロマヨガは香りを楽しむヨガですが、その日の体調・気分によって、香りが不快に感じる場合があります。これは、身体が求めていない成分を取り込むことで起こる、自然な反応です。自宅で行うときは、常に同じ香りを使うのではなく、体調に合わせて心地よく感じるものを選びましょう。
また、リラックス効果の高い香りで、ゆったりとヨガをすると、主に内臓のコントロールを担う自律神経の1つ、副交感神経が優位になりすぎてしまい、だるさ・眠気を感じることがあります。レッスンに参加している場合は、遠慮せずに講師に伝え、無理のない姿勢でお休みをしましょう。
アロマヨガの効果やメリット
アロマヨガ最大のメリットは、五感の中で唯一脳に直接働きかける、嗅覚を上手に使っているため、効果に即効性があることです。鼻から取り込んだ香り成分の刺激は、鼻と脳を繋ぐ嗅球を通り、上位中枢となる脳(大脳辺縁系)へと伝わり、香りを認識します。
大脳辺縁系は、感情や記憶など、本能行動や情動行動に関与する器官で、香りは感情に影響しやすい仕組みになっています。アロマヨガで、部屋に入った瞬間に気持ちの変化を感じるのは、このためです。
ストレス解消効果
ストレスを感じているときは、自律神経のバランスが崩れていることが多く、香りとヨガ、双方から自律神経のバランスを整えることができるアロマヨガは、ストレス解消の効果が抜群です。
自律神経のバランスを整えるカギは、ヨガの基本でもある、深い鼻呼吸です。即効性のあるアロマで身体をリラックスさせ、ヨガの呼吸と心地よいポーズで自律神経のバランスを整え、ストレスを撃退しましょう。
美容効果
アロマヨガでは、ホルモン調節や抗菌作用のあるエッセンシャルオイルと、リンパ節を刺激するポーズ(アーサナ)を組み合わせることで、美容・アンチエイジングの効果を発揮します。
ゼラニウムやローズオットーには女性ホルモン、エストロゲンの分泌を促す効果があり、これらの香りと、リンパ管の集中する鼠径部を伸ばす、がっせきのポーズなどを組み合わせれば、老廃物を効果的に排出し、年齢に負けない美しいお肌へと導いてくれます。
参考:がっせきのポーズ
アロマヨガはどんな人におすすめ?
アロマヨガはリラックス要素が高く、スタジオのレッスンでも難易度の高いポーズや、激しい動きはほぼありません。誰でも気軽に参加できる優しいヨガのため、ヨガ初心者はもちろん、ストレスが溜まっている方、疲れている方には特におすすめです。
- ヨガ初心者
- ストレスを解消したい方
- 疲れを感じている方
- リラックスしたい方
- お肌のトラブルに悩んでいる方
アロマヨガのやり方
アロマヨガとは、アロマの中で行うヨガのことを指すため、やり方自体は一般的なヨガと同じです。ただし、エッセンシャルオイルの香り成分によって効果が異なるため、ヨガをした後にどうなりたいか、目的に応じて、オイルの効果とヨガの内容を合わせることがポイントになります。
エッセンシャルオイルを選ぶ
アロマヨガで最も重要なエッセンシャルオイルは、目的に合ったものを選びましょう。リラックスしたいのであればラベンダーやベルガモット、集中力を高めたいのであればレモンやローズマリー、気分をリフレッシュしたいのであればグレープフルーツやペパーミントを選ぶと効果的です。
他にも、免疫を高めるならばティーツリー、肩こり解消にはレモングラスなど、身体への効果を軸に選択することもできます。
座を整えて深呼吸
アロマの準備が整ったら、ヨガ開始です。ヨガの入り口では心を静め、座を整えて深呼吸をしましょう。お尻の2つの骨、座骨でしっかりと地面をとらえ、背筋が伸びる体勢で座ります。
反り腰・前のめりにならないように、呼吸の通りやすさを意識しながら、背骨が自然なS字湾曲になるように意識しましょう。鼻から大きく息を吸い、口からため息をつくように2、3回深呼吸をすると心が静まり、ヨガに集中できるでしょう。
ヨガのポーズで体をほぐす
ヨガのポーズ(アーサナ)では、集中して、バランスよく身体を動かすことが大切です。ポイントは2つ、左右前後上下の方向に身体をバランス良く動かすことと、集中できるポーズの順番(シークエンス)です。
専門知識がない中で、この2つのポイントを抑えることは難しいため、スタジオのレッスンに参加するか、自宅で行う場合はYoutubeなどを見て、講師の指示通りに身体を動かすのが良いでしょう。おすすめはB-lifeまりこ先生のヨガレッスン動画です。初心者でも無理なくとれるポーズが多く、シークエンスにも無駄がないため、短時間でヨガの効果を実感できます。
シャバーサナで余韻を感じる
シャバーサナ(屍のポーズ)は、レッスンの最後に取り入れられることが多いポーズです。仰向けで寝転び、全身の力を抜いて自分の内側に集中します。身体が休まることはもちろん、ヨガの余韻、深いリラックスを感じることができるため、ヨガの醍醐味ともいえるでしょう。
シャバーサナでは、ただ「今の自分」を感じる時間を楽しみ、不安や嫌な記憶が浮かんできても、深追いせずに手放してあげましょう。短時間でも脳が十分に休まり、スッキリとした気持ちよさを感じることができます。
参考:シャバーサナ
まとめ
アロマとヨガはお互いの良い部分を引き出す相乗効果があるため、とても相性の良いアロマヨガ。通常のヨガでは今一つリラックスできない、という方にもおすすめです。素敵な香りの中で、非日常を感じながら気持ちよくヨガをすることで、心も身体も美しく、健康になりましょう。
東京都を中心に活動するIHTA認定ヨガインストラクター。会社員としての経験を持ち、自身の健康を意識することからヨガを始める。身体だけでなく、心も健康にするヨガの魅力を知り、この魅力を広く伝えたいという思いからヨガインストラクターに転身。マインドを明るくするような朝ヨガ・リフレッシュ効果の高いフロー感のあるヨガを得意とする。